京都大学アカデミックデイ2014

いのちのバトンー体験型ヒト遺伝教室ー

研究者からの一言:DNAや染色体を見ながら、ヒト遺伝を考えよう!

私たちは「いでん」といういのちのリレーで、祖先から子孫にバトンを受け継ぎます。 バトンの色はたった4種類の色の組み合わせでも,多様な個性を作り出します。 小中学生、親子も大歓迎!一緒にヒトの遺伝を考えましょう!

出展代表者

医学研究科 医療倫理学・遺伝医療学分野
 和田 敬仁 准教授

参加者

医学研究科 医療倫理学・遺伝医療学分野
 和田 敬仁 准教授
 秋山 奈々 修士課程2年

来場者より

遺伝子についてちょっと分かったで賞
熱く語ってくれたで賞
聞く側の話も取り入れてくれたで賞
いっしょうけんめい説明してくれたで賞
フレッシュで賞
とても勉強になったで賞
個人情報が心配で賞
楽しかったで賞
よかった賞

アカデミックデイを経ての感想

私たち、遺伝医療学の教室では、遺伝カウンセラー(遺伝に関する相談を受ける専門家)の養成とともに、ヒトの遺伝に関する知識を社会の皆さんに知ってもらうための取り組みを行ってきました。昨年度・今年度と参加させていただいたアカデミックデイでは来場してくださった皆さんと、こたつを囲んでじっくりお話しをすることができました。とても勉強熱心な方ばかりで、来場してくださった方同士でもお話をされていたことがとても印象的でした。こういった機会を通して、来場者の方が身近なヒトの遺伝に関連した話題に気づいてくださったり、興味を持ったりするきっかけを作っていけたらと考えています。皆さんのコメントやお話から勉強させていただくこともたくさんあり、アカデミックデイが終わるといつも次はどんなことをしようかな、と次回が楽しみになります。
(秋山 奈々)

私たちの体の設計図に関する知識は、病気になったときだけではなく、日常の健康にも役に立つものです.しかし、なかなか、学校で学ぶ機会がありません.私たちは、誰もがヒトの遺伝に関する知識を正しく理解し、正しく判断する力(ヒト遺伝リテラシー)の向上に取り組んでいます.今まで、親子を対象とした京都駅でのイベント、小学生を対象とした遺伝教室、高校生を対象とした授業支援を行ってきました.昨年に引き続き、今回のアカデミックデイでも多くの来場者の方とヒト遺伝についてお話しすることができました.普段から疑問に感じていることを語ってくださった方、一緒にお話しする中でいろいろな問題点に気付かれた方、DNAの模型をみてヒト遺伝に興味を持ってくださった方など様々です.皆さんの声に耳を傾けながら、私たちの研究を充実させていきたいと思います.
(和田 敬仁)

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学(ブルーバックス)

デイヴィッド・サダヴァ他著、石崎泰樹他監修、浅井将他訳 / 講談社

アメリカの大学で使われている生物の教科書から分子遺伝学分野を抽出して翻訳したものです。え?大学の教科書?なんだか難しそう。と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、読んでみると以外にもすんなり内容が頭に入ってきます。高校の教科書や図説では物足りないなと感じている高校生、高校で生物の勉強は終えてしまったけれどもちょっと興味があるなーという社会人の方、幅広い方に楽しんでいただける一冊です

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

若者にお勧めしたい本

どんなかんじかなあ

中山千夏著、イラスト:和田誠 / 自由国民社

ヒト遺伝教育は何を目指すのか?一番最後にドキッとする絵本です。今までに読んだ絵本の中で一番ラストが印象に残る本でした。主人公の男の子がお友達の立場に立って、いろいろな想像をめぐらせて体験していきます。本を読み進めていきながら、主人公の男の子と一緒にいろんな人の立場、感じ方を想像してみると、読み終わったときに自分の感覚や世界がちょっと広がったような、不思議な感覚になります。お子さんだけではなく大人の方にもぜひ読んでいただきたい一冊です。

LIFE: The Science of Biology (10th)

David Sadava et.al / W.H. Freeman

『大学生物学の教科書』の原本(最新版)。大学時代に勉強しておけば良かったと後悔。でも、今からでも遅くはないはず!

取り扱い: 京都大学図書館

キャンベル生物学

N.A.キャンベル著、小林興監訳、伊藤元己他訳

スーパー高校生はこれで勉強している!あらゆる分野の皆さんが、一度は目を通した方が良いのかもしれません。

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

自分の研究に関連して紹介したい本

遺伝子図鑑

国立遺伝学研究所『遺伝子図鑑』編集委員会編 / 悠書館

とことん遺伝子のことに特化した図鑑です。普段の生活ではなかなか触れる機会の少ない遺伝や遺伝子の話で、難しいかなと考える方も多いかもしれませんが、図を見ているだけでも楽しめる一冊です。自分の体の中でこんなことが起きているなんて!目では直接見ることができない遺伝子のことを分かりやすく解説しているだけではなく、身近なものと比較していて、改めて人体の不思議を感じることができると思います

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

フィンランド理科教科書(生物編)

M.ホロパニエン他著、鈴木誠監訳、山川亜古訳 / 化学同人

教育先進国フィンランドの中学校で使われている生物の教科書(日本語訳)です.ヒトの遺伝や生命に対する扱いが日本と大きく異なっていることに驚きます。

取り扱い: 京都大学図書館

おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん

長谷川義史著 / BL出版

私たちはヒト遺伝リテラシー向上を目指しています.子ども向けの絵本だけれど、なかなか奥が深いです.「命は続いている」とか言葉だけではいまいちピンときませんが、自分とご先祖様の命はつながっているのだということを、「ひぃひぃひぃ・・・」と読み進めていくうちに実感できる内容になっています。ページが進む度に子どもたちに読み聞かせるのが大変になってきますが、登場するキャラクターやイラストがどんどん変化していき、時代の変化も楽しむことができます。

取り扱い: 京都府立図書館

いのちのまつり「ヌチヌグスージ」

草場一壽(作)、平安座資尚(絵) / サンマーク出版

ヒト遺伝教育はDNAヤ染色体を学ぶためだけではありません.サブタイトルにある「ヌチヌグスージ」とは沖縄の言葉で「いのちの祭り」と意味するとのこと。絵本冒頭の、ご先祖様のお墓の前に集まった家族らが、歌ったり踊ったりしながら感謝の意を伝えるシーンを指しているようです。絵本は途中にしかけがあり、命の広がりを視覚的に魅せてくれます。登場人物の表情が1人1人みんな違うのも見どころの1つ!自分の命と家族とのつながりをやさしく教えてくれる、とっても心温まる1冊です。

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