アカデミックデイ2015
印刷する

骨は水から作られる~生物の営みに学ぶ

研究者からの一言 「自分の骨」を超える人工骨をめざしています。

概要

自然界を見渡すと、セラミックスの中には高温を必要とせず、骨や貝殻のように水から作られるものがあります。私たちはこのような生物の営みに学んだ手法で、骨に含まれるセラミックス成分を人工的に作り、骨と強く結合する人工骨や、からだになじみやすい薬のカプセルを開発しています。

出展代表者

エネルギー科学研究科 エネルギー基礎科学専攻 機能固体化学研究室
 薮塚 武史 助教

参加者

エネルギー科学研究科
 薮塚 武史 助教
 福島 啓斗 修士課程2年
 田村 明寛 修士課程2年
 城所 泰孝 修士課程1年
 松永 孝彦 修士課程1年
 鍛治 宗騎 修士課程1年
工学部工業化学科
 阪口 通昭 4年

関連URL

来場者より

これからが楽しみで賞
一等賞
これからもがんばってほしいで賞
研究所での普段知れない裏話をしてくれたで賞
ひさしぶりに鍛冶君と会えたで賞
高齢者社会に役立つで賞
もっと色々な人工骨をつくってほしい賞
将来はまかせたで賞

アカデミックデイを経ての感想

私たちの研究が来場者の方々に果たしてご興味を抱いていただけるものなのか、発表準備を進めていく過程で一抹の不安を抱えておりましたが、当日は私たちの予想を超える多くの方々にお越しいただきました。

ご来場の方々に心から感謝申し上げます。

また、他の出展者の方々のポスター発表はアイデア溢れるものが多く、今後の研究発表やアウトリーチ活動に向けて非常に勉強になりました。

特に、普段関わりの少ない、文系や複合領域でご研究されている方々の発表を拝見させていただき、貴重な経験となりました。

今回、このような有意義なイベントをご企画いただいた、京都大学学術研究支援室の方々に感謝申し上げます。

フォトギャラリー

DSC_2964.JPG

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

= 取り扱いあり

今の仕事(研究、進路)を選ぶことになったきっかけになった本

知的生活の方法

渡部昇一 著/講談社現代新書

渡部昇一氏の名著。知識人とはどのような人間なのか、そこに近づくにはどのような生活を送ったらよいのかを教えてくれたのが本書です。その領域にはまだまだ程遠い私ですが、数々の悩みをやり過ごしながらも、研究と知識で飯を食う生活に憧れを持ち続けることができたのは、本書のおかげだったと今にして思います。絶版ですが、本書の続編「続・知的生活の方法」(講談社現代新書)の方が個人的には好きで、こちらは古書で現在も流通しています。

医学生

南木佳士 著/文春文庫

  • 京都府立図書館

著者が秋田大学医学部で実際に医学生だったころをモチーフにして書いたとされる名作中の名作。私は医学部を志したことはありませんでしたが、今にして思えば、本書が医学のお手伝いをする「生体材料学」という分野を志すきっかけの一つだったように思います。エリート養成機関が舞台の話にしては実に泥臭く、切ないエピソードが満載です。人の命をあずかる仕事に就くことの大変さが、内臓をえぐられるかのようなリアルな文章で描かれています。

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

世界で一番美しい元素図鑑 

セオドア・グレイ 著/創元社

TBS「マツコの知らない世界」でも取り上げられた、いま話題の一冊です。化学とは、物質の中身がどうなっているのかを学び、さらにそれを新しく生み出すための学問です。しかし高等教育では、実際の物質を見たりする機会がほとんどないまま、元素記号や化学式だけを頭に詰め込んで「化学を経験した」ことにしています。皆さんはカルシウムを実際に見たことはありますか?ネオンはなぜランプに使われているかご存知ですか?そのような諸々の欲求に、本書は膨大な数の写真を用いてわかりやすく答えてくれます。インテリアとしてもおすすめ。

升田幸三の孤独

河口俊彦 著/マイナビ 

  • 京都府立図書館

最近、将棋を指さずに観て楽しむ「観る将」と呼ばれる将棋ファンが、若い女性を中心に増えています。河口俊彦八段は将棋界きっての文筆家として長年活躍していました(2015年1月逝去)。本書は小説新潮に連載されたエッセイをまとめたもので、大山・中原・谷川・羽生といった棋界のスーパースターに焦点をあてたものではなく、覇道を歩んだ異能派の棋士や、才能は認められながらもトップに立てなかった棋士の悲哀などに焦点があてられており、興味深い一冊となっています。

若者にお勧めしたい本

青春論

亀井勝一郎 著/角川ソフィア文庫

亀井勝一郎は、戦後の文壇において小林秀雄と並び称された代表的な評論家でした。しかし近年は著作の大部分が絶版となっており、その存在が黙殺に近い形で忘れ去られてしまっています。本書は現代人が軽視しがちな他者への思いやり、はにかみ、羞恥心を持つことの大切さを、著者独特のわかりやすい文章で説いています。ともすると理想主義的にうつる面もありますが、それがかえって新鮮な読後感を残します。心の空気を入れ替えるのに最適な書。

草枕・二百十日

夏目漱石 著/角川文庫

  • 京都府立図書館

「草枕」と「二百十日」という、あまり教科書には取り上げられない作品を組み合わせた一冊。この組み合わせが大変素晴らしい。私はこの2作を音声で聴くのも好きです。「草枕」については日高徹郎氏がWeb上で公開している朗読が、作中の「余」が日高氏に乗り移ったかのように素晴らしく、夜に聴いているとどこかに連れて行かれます。「二百十日」については、名優・橋爪功氏の朗読CDが新潮社より発売されており、作中の圭さんと碌さんの落語のような掛け合いが橋爪氏の絶妙な表現力で再現され、絶品です。

自分の研究に関連して紹介したい本

セラミックバイオマテリアル

岡崎正之・山下仁大 編/コロナ社 

日本を代表するセラミックス系生体材料の第一人者の面々が執筆している本書。この分野の骨子が目白押しでおすすめです。内容が専門的すぎてよくわからない方は、第1章「バイオマテリアルとは」と、各章に時折登場する「コーヒーブレイク」という囲み記事だけでも是非ご一読いただきたいと思います。セラミックス系生体材料の科学が、単なるマニアックな知識の塊で構成されているのではなく、物語性を持った研究分野であることを感じさせてくれる一冊です。

新版ヴィジュアルでわかるバイオマテリアル

古園勉・岡田正弘 著/秀潤社

アパタイトセラミックス研究の第一人者である古園勉先生(近畿大学教授)と岡田正弘先生(現岡山大学准教授)の共著。両氏ともセラミックスが専門ですが、本書の内容は多岐にわたり、プラスチック系生体材料、セラミックス系生体材料、金属系生体材料のほぼすべてがカバーされています。実際の医療現場で使用されている生体材料が写真入りで数多く紹介されています。お医者さんがどのような道具を使って我々の身体を治してくれているのかを知ることができます。