京都大学アカデミックデイ2015

水と環境をまもる森の働き

研究者からの一言:ペットボトルから地球水循環がみえる、どういうこと?

森林には水や環境をまもる働きがあると言われていますが、科学的にこれらの働きや限界を調べることが大切です。タワーを使って森林が大気と水蒸気や二酸化炭素を交換する様子をモニタリングしたり、ミネラルウォーターを集めて地下水のルーツを探る研究を紹介します。

出展代表者

農学研究科 地域環境科学専攻 生物環境科学講座 森林水文学分野
 谷 誠 教授

参加者

農学研究科
 谷 誠 教授
 小杉 緑子 助教
学際融合教育研究推進センター グローバル生存学大学院連携ユニット
 勝山 正則 特定准教授

関連URL

http://www.bluemoon.kais.kyoto-u.ac.jp/start-jp.html

来場者より

Best Reesarch賞
水は大切で賞
水がいっぱいありました賞
私も水のペットボトルを集めてみたいで賞
頑張って欲しいで賞
いろはすの地域性にびっくりしたで賞
水と環境を守る森の働き賞
市販ミネラルウォーターをえらぶのもおもしろいで賞
がんばって賞
自分の仕事と関係するで賞
関心がある領域なので文系なりにもっと勉強しますで賞
お水おいしく飲めるで賞
水~瑞々しいご研究です賞
水水しいで賞
頑張ってください賞

アカデミックデイを経ての感想

森林が環境保全に及ぼす役割が、毎年のコンスタントな蒸発散・熱交換・炭素交換を通じてこれまで維持されてきたこと、しかし気候変動が起こっている中それがいつまでもそうした平衡状態が続くかどうかわからず、こうした環境問題は継続的にモニタリングすることなくしては確かめられないこと、これらのキーポイントがわかりやすい展示で、訪問してくださったどの人にもよく理解していただけたと思う。このようにたいへんわかりやすい内容であったにもかかわらず、社会にこの観測研究の意義が浸透していないことを改めて感じ、今回のような機会を捉えて広く伝えることが重要だとの感想を持った。

高校生が教科書で学ぶことと、実際に研究の世界で行われていることとのつながりに気づけないでいることを残念に感じ、少しでもそれを解消する手助けができたなら幸いであった。具体的には、「環境問題に関心が持てない」という学生に、教科書で習う「同位体」という道具を用いると、環境を見ることができて、環境とは自分の身近にあるものだと少しでも感じてもらえたのならうれしい。

カードの表にミネラルウォーターの産地を裏に同位体比を書いてボトルに掛け、裏返して見ることの工夫が興味を惹いた。世界中の地下水の収集による長期水循環変動のモニタリングの意義、タワーでの長期観測による生態系の環境維持における重要性が外部からの参加者ばかりでなく、専門の違う京大の研究者にもわかっていただけたことが良かったと思う。

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

若者にお勧めしたい本

緑のダムの科学 ー減災・森林・水循環

蔵治光一郎・保屋野初子 編 / 築地書館

森林が洪水緩和に及ぼす影響には強い社会的な関心があるが、人工の防災構造物とどのような違いがあるのかは理解されていない。本書には、多様な意見が収録されているが、すべて読んで、あなた自身の「緑のダム」に関する見解を見いだしてほしい。

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

森林飽和―国土の変貌を考える

太田猛彦 著 / NHKブックス

最近里山が荒れているとよく言われるが、木材や薪炭に暮らしを依存していた数十年前までは、むしろ森林はたいへん貧弱で土砂災害も多かった。この歴史を本書によって学んだうえで、森林や林業の今後を考えてゆきたい。

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

自分の研究に関連して紹介したい本

陸域生態系の炭素動態 -地球環境へのシステムアプローチ

及川武久・山本晋 編 / 京都大学学術出版会

森林などの陸面生態系の二酸化炭素吸収に関して、現地観測を基にきちんと評価する手法を説明し、実際に観測した成果が紹介されている。専門書であるが、気候変動と生態系のかかわりについて学びたい方にお薦めする。

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

流域環境評価と安定同位体

永田俊・宮島利宏 編 / 京都大学学術出版会

水・炭素・窒素などの動きを調べ、それにかかわる生態系の役割を探るためには、安定同位体を用いることがたいへん重要になっている。専門書であるが、環境に関心を持つ方に学んでいただきたい。

取り扱い: 京都大学図書館/ 京都府立図書館

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