アカデミックデイ2015
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占領期二都物語京都・神戸の平和と人権

研究者からの一言 占領期or北白川ますたにラーメンの想い出を教えてね

概要

かつて京都と神戸に米軍基地があったことをご存じですか?たとえば京都大学周辺の占領期のお話。神戸のルミナリエの開催場所周辺の第2次世界大戦中と占領期のお話。戦後70年。今一度平和と人権を共に考えましょう。

出展代表者

学際融合教育研究推進センター アジア研究教育ユニット
 茶園 敏美 研究員

参加者

学際融合教育研究推進センター アジア研究教育ユニット
 茶園 敏美 研究員

関連URL

来場者より

ごりおしは許さないで賞
普段自分では考えにくいだけに重要な研究で賞
京都の女賞
びっくりしたで賞

アカデミックデイを経ての感想

単独で参加したので、終日個人商店のような感じでした。
展示物は、パワーポイントでパネルを作ってそのパネルを両面テープではりつけました。会場の雰囲気をみて、途中でパネルの順番をかえることができるので便利です。ですが、パネル30枚を貼るだけで時間がかかってしまい、途中から隣の26番出展の趙先生が手伝ってくださいました。
京大アカデミックデイは理系のお祭りみたいで気づいたら、人権のヘビィな話題はわたしだけで当初は心細く不安でしたが、その後友人がたくさん来てくれたのと、理系の学生さんや院生さんたち、また一般のかたがたが、ピンポイントで来てくださったのがうれしかったです。
そのなかで印象的なトークを2つご紹介します。お2人からは、セクシュアリティにまつわるタイムリーでとても重要なご質問をいただき、感謝しています。


1.理系専門の男子学生さん
「「慰安婦」問題で、韓国政府や支援団体がお金のために主張することについてどう思うか。ネットで議論をみていると頭が混乱してしまう」。
わたしの応答は、一番傷を追っている当事者のかたがたが置き去りにされていることがおかしい。入り口で、強制かどうか分けるのでなく、やめたいときにやめられないことも強制だ。まずは、心の血を流しているひとたちに目を向けることが必要だと答えました。
また、「橋下市長の暴言はどうなのか」というご質問を受けました。以前、橋下氏がどこの国も「慰安所」は作っている、日本ばかり責められるのはおかしいといった件です。
わたしの応答は、海外でも日本の橋下氏のようなひとたちから、「日本は女性を性奴隷にした上に謝らないから、まだ日本よりまし」と暴言を吐いているかもしれないので、海外の研究者たちとネットワークを作って研究を進めることでそのような暴言は回避できると答えました。

 

2.研究者ではないかた

京都府立資料館のイベントで古都京都の占領期のフィールドワークに参加したときに拙著『パンパンとは誰なのか』(インパクト出版会2014年)を知り、図書館で借りて読んでいる途中という主婦と名乗られた方です。拙著でどうしても納得いかない部分があるということで、わざわざアカデミックデイに来てくださいました。拙著にはたくさんの付箋紙が貼ってあり、とてもうれしかったです。
その方が腑に落ちない部分は、拙著にある「わたしの身体はわたしが決める」という部分です。
「この言葉はくりかえし出てくるけど、どうしても納得できない。もし、わが子が、わたしの身体はわたしが決めるといいながら売春しまくるのは、自分を大切にしていないのではないか。娘がそんな状態になっても(売春しまくっても)、わたしの身体はわたしが決めると言えるのか」というご質問でした。
わたしの応答は、売春しまくるとか自分を大切にしていないというのは、○○さん(そのかたのおなまえ )の判断ですねと答えました。
まず、①人身売買は犯罪だということ。②生活のために意に反して性産業で働くのと、自身の身体を使って相手を癒すことが喜びだと積極的に働くのと区別する必要があること。③人身売買などの犯罪と、職務に対して尊厳が保証されるように要求するのとは別問題だということ。
この3点を挙げたうえで、わたしの友人の例をあげました。友人は、性産業で働くことが天職だといいました。もっと早くすればよかったと。いやな上司に我慢して働くより良いと。このようなひともいるということ。性産業で働いているひと全員が、不本意だけどなんらかの事情があって、この仕事をしているのではないということをご説明しました。
「では、セックス依存の女性はどうなるのか」と問われたので、その場合はアルコール依存のように、カウンセリングやなんらかの手立ては必要で、放置はできないと答えました。
性産業は他の職種とちがって、メンタルな部分でいろんな要因が入ってくるからこそ、安心して安全に働けるようにすることが大切だとお伝えしました。
するとそのかたは、「まずは、いろんな価値観を受け入れることなんですね」とおっしゃってくださいました。

 

また、マレーシアから来られた理系の研究者のかたからご質問を受けたのもうれしかったです。いつも慣れ親しんでいる文系のリアクションと、みなさんちがっていたことが新鮮でした。日頃ふつうに使っていた用語が専門用語だったことに気づいたりもしました。

これまで出会わなかった理系のかたがたや、一般のかたがたと直接お話しできたのは、アカデミックデイならではのおおきなメリットで、わたし自身、地に足の着いた研究を進めるうえで、とてもありがたいイベントでした。
最後に、ますたにの想い出を快く書いてくださったみなさま、ありがとうございました。

フォトギャラリー

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研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

= 取り扱いあり

今の仕事(研究、進路)を選ぶことになったきっかけになった本

青きドナウの乱痴気

良知力 著/平凡社, 1985年

1948年ウイーン革命は、教科書で習う歴史からこぼれおちたひとびとの革命でした。おんなたちも含まれます。おんなたちはなぜ銃をとらなければならなかったか。緻密な下調べのもと、誰もが十分楽しめるスリリングな社会史の本です。こんな本を書きたい!