ユニットと拠点

 京都大学には現在、分野を越えた研究プロジェクトを推進するユニットがいくつかある。いずれも、学内で横断的に研究・教育活動を効果的に実施するために設立された。しかし、アフリカ関連の教育や研究に目を向けると、携わる専任教員が60人以上も在籍しているのに、彼らをつなぐ組織がなかった。そこで、アジア・アフリカ地域研究研究科など学内の10部局に所属する教員がユニットを結成し、京都大学とアフリカ社会をつなぐハブ組織として活動することになった。

 ユニットの大きな目的は、アフリカ関連の研究や教育、国際貢献活動に携わる組織と研究者を有機的につないで、これまで京都大学のあちこちで蓄積されてきた情報を共有し、各活動が効果的にできるよう、全学的なサービスを提供すること。さらには、京都大学から巣立ったアフリカ関連の研究者たちを、国籍や活動地域にこだわらずに同窓会的な形で結びつけ、アフリカ地域における京都大学の窓口になることだ。

 2016年5月現在、京都大学に在籍するアフリカ出身の留学生は、53カ国から74人に上る。これまでにも、京都大学で学問を修めてアフリカに戻った留学生たちが数多くいる。また、アフリカに赴いて仕事をする卒業生も数多い。しかし、このようなアフリカで活躍する京大関係者を結びつける仕組みはこれまでのところ存在しなかった。そのため、「京大」と「アフリカ」という共通のキーワードを持ちながら接点のない関係者が数多くいる。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、以前よりは交流が簡便になったとはいえ、関係者を網羅するのはまだまだ難しい。そこで、アフリカ・ユニットと同時に新たに京都大学アフリカ同窓会(KUAAA)が立ち上がった。京都大学と過去・現在・未来で関わりを持つアフリカ関係者が、世代や国境、分野を越えた交流を始められる準備が整ったのだ。

アフリカ・ユニット・キックオフ・セレモニーには、学内外から多くの関係者が集まった
アフリカ・ユニット・キックオフ・セレモニーには、学内外から多くの関係者が集まった

 しかし、アフリカ・ユニットと同窓会という「人のつながり」を促進する仕組みはできたものの、物理的な拠点は今後の課題となっている。京都大学は現在、欧州とアジアに拠点を置き、国際交流を始めとする様々な分野で、それぞれの地域の窓口になって成果を上げている。これまでの京都大学とアフリカ大陸との関係を見れば、「物理的な拠点」がアフリカ大陸にできれば、ユニットと同窓会の機能もさらに活性化され、共同研究や国際教育、産学連携、国際貢献などの分野でこれまで以上にアフリカとの交流が活発になるだろう。重田教授は、「ユニットの設立で、京大の文理融合的な地域研究の伝統を核にして、アフリカとのアカデミックな交流をさらに活発化させたい」と意気込む。

京都大学アフリカ学際研究拠点推進ユニット長の重田眞義教授
京都大学アフリカ学際研究拠点推進ユニット長の重田眞義教授