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新規生体活性チタン合金インプラントの開発

研究スローガン

骨結合性・機械的強度・耐腐食性を兼ね備えた新規骨修復材料の開発

キーワード

インプラント、チタン合金、アパタイト核、生体活性、骨結合性

研究背景、目的及び成果の要約

超高齢社会を迎えた今日、骨欠損を的確に治療し患者のQOLを向上する目的で、人工骨の需要がますます高まっている。人工股関節や人工歯根には、機械的強度と耐腐食性の高いチタン合金が広く使用されている。しかし、チタン合金をそのままの状態で骨欠損部に埋入しても、骨との結合性に乏しい。そこで我々は、骨の主要な無機成分であるヒドロキシアパタイトを早期に形成するナノ粒子「アパタイト核」を用いて、チタン合金に高い生体活性を付与した新規インプラント材料を開発した。

今後の展望

本プログラムにおいて我々は生体活性チタン合金の動物実験を行い、骨形成を評価した。臨床試験を見据えてインプラント作製条件にさらなる改良を加え、引き続き研究を精力的に行い、インプラントの国内外での実用化を目指す

関連写真・図

未処理チタン合金インプラント(左)と生体活性チタン合金インプラント(右)の写真。生体活性処理後においても形状がほとんど変わらない。
生体活性チタン合金の骨組織との接着メカニズムの模式図。生体内で骨の主要な無機成分であるヒドロキシアパタイトの層を早期に形成し、それを介して骨と強く結合する。
ロンドンで行われたインプラントの骨形成評価試験の様子。

代表者情報

薮塚武史

・代表者氏名:薮塚武史
・所属部局名:エネルギー科学研究科
・自己紹介:2009年9月京都大学大学院エネルギー科学研究科博士課程修了。2009年11月より現職。生物の営みに学んだセラミックス合成プロセスであるバイオミメティック法に着目し、生体内で多様な機能を発現するバイオマテリアルの開発に取り組んでいます。京大将棋部出身。
・関連URL:機能固体化学分野ホームページ http://fssc.energy.kyoto-u.ac.jp/