Research Support
SPIRITS

BNCTの国際拠点化にむけた学際チーム研究の推進

研究スローガン

京都大学原子炉実験所をホウ素中性子捕捉療法の世界的研究拠点とする。

キーワード

ホウ素中性子捕捉療法、研究用原子炉、加速器、国際研究拠点

研究背景および目的

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、がん組織に集積するホウ素薬剤と原子炉又は加速器中性子との核反応を利用し、選択的にがん組織を破壊する新しいがん治療法として注目されている。京都大学原子炉実験所は世界で最多の治療患者数と優れた研究開発実績を有し、世界のトップランナーである。本プロジェクトでは国際ワークショップ等を開催して国内外のBNCT関連施設と連携し、当実験所を国際的なBNCTの研究拠点とすることを目的としている。

成果の要約

3カ年にわたり国際ワークショップとセミナーを開催した。10カ国からの参加に加え、国内からも多数の参加を得て、参加者数はのべ300人であった。その成果に基づき複数の機関と国際共同研究協定の締結を進めている。「プロジェクト支援・推進室」を設置して大型外部資金の取得に向けて活動し、経産省の特区調整費を獲得した。また、関係自治体と協力し研究拠点を整備する上での必要な事項についての検討し、必要な体制整備を行った。

今後の展望

現在すすめているドイツ、イタリア、インドネシアとの研究協力協定の締結を完了し、それを活用して治療法や効果の相互比較、患者の紹介と治療、施設の相互利用などを進めていく。また、獲得した外部資金を活用して設備の充実や人材の育成を図っていきたい。

関連写真・図

京都大学研究用原子炉(KUR)とBNCTのためのエネルギーの低い中性子を取り出す重水照射設備。世界的の極めて優れた、数少ないBNCT臨床治療施設である。

代表者情報

川端祐司

・代表者氏名:川端祐司
・所属部局名:原子炉実験所
・自己紹介:原子力研究といえばエネルギー研究となりがちですが、量子ビームや放射性同位元素(RI)を用いた原子力技術応用研究も大きく広がっています。これらの多様な分野を融合した複合原子力科学を推進しています。
・関連URL:http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/