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ミャンマーのサイクロン・洪水災害の減災―バングラデシュでの成功 事例を応用するための取り組み

研究スローガン

ミャンマーのサイクロン・洪水・塩害にバングラデシュの減災成功事例を応用しよう

キーワード

自然災害、減災、バングラデシュ、ミャンマー、在地の知恵

研究背景および目的

ベンガル湾沿岸で大河川の河口に位置する広大なデルタ地帯を抱えるバングラデシュとミャンマー両国では、サイクロン、洪水、塩害の被害規模の差は歴然としている。村人の経験から編みだされた在地の知恵や国際援助によって建設されたシェルターなどの官民協働によって減災を実現してきたバングラデシュの減災対策技術のミャンマーでの応用可能性を気象や水文の自然や農村社会などの諸条件に配慮して考察し、具体的な社会実験型研究計画を提案することを本プロジェクトの目的とした。

成果の要約

バングラデシュの減災の基盤技術となっている在地の技術やサイクロンシェルター、塩害の現状、気象データー等について、ミャンマーとバングラデシュの両国で調査した。6度の国際ワークショップを開催し、その一部を成果出版した。地域研究を活用し国際共同研究と、学際融合を積極的にはかり、プロジェクトの成果の一部を活用して、2016年度に挑戦的萌芽研究と基盤研究(A)海外学術調査の事業を獲得した。若手研究者に本件研究を今後とも継続・発展させていく。

今後の展望

2015年度以降の研究計画は、挑戦的萌芽研究と基盤研究(A)に引き継がれ,ミャンマーでは減災技術としてのバングラデシュ型屋敷地建設の社会実験事業を実施する計画である。自然災害、過疎、離農問題をグローバル問題と位置づけ、その問題解決に寄与する実践型地域研究の確立を目指す。

関連写真・図

ヤンゴンのSEAME-CHATで開催した減災と持続的発展に関する国際ワークショップの参加者(2015年12月23日)
国際ワークショップの成果を実践型地域研究シリーズ第9巻として出版
2015年の雨季に高潮が畦を越えて進入し、塩害のために栽培稲がまったく育たなかったイラワジデルタ先端の水田(2016年1月6日、ピャポン郡にて)

代表者情報

安藤和雄

・代表者氏名:安藤和雄
・所属部局名:東南アジア研究所
・自己紹介:バングラデシュの村の在地における伝統稲作隣地調査から始まった私の地域研究は、在地の自覚(フィールドにいる実感)により在地の人々との問題意識の共有化を重視した実践型地域研究に発展し、過疎・離農・環境問題などのグローバル問題に挑戦している。
・関連URL:http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/brahmaputra/HTML/workshop.html