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SPIRITS

キラル無機ポーラス材料の創製とその応用

研究スローガン

螺旋状の無機物から成るナノ構造が有する大きな可能性

キーワード

キラリティー、螺旋、金属、ポア、電気化学

研究背景および目的

螺旋状金属ナノ構造は偏光の制御が可能であり、フレキシブルな3Dディスプレイなどへ近い将来に応用可能な材料です。しかし、既存の作製法は基板の上に配列させることが難しく、コストも高いという問題点がありました。本プロジェクトでは、シリコン基板電極とし、そこへ電気化学的に螺旋状のナノポアを形成すること、並びにそのナノポアを金属めっきすることにより配列した螺旋状金属ナノ構造形成を目指しました。

成果の要約

無機物から成るキラルナノ構造体作製をテーマに国内外の研究者が共同研究を進めました。基板表面に螺旋状のナノポアを作製することに成功し、並行して進めたナノポアの金属めっきについても高効率で進行させうる手法を開発しました。一方、本プロジェクトをもとにフランスCNRSによる国際共同ラボに応募し、認可されました。これにより研究者間の交流が一層活発になりつつあります。学生交流のために日本学生支援機構の留学プログラムに応募し、採択されました。

今後の展望

本プロジェクトをもとに形成したコンソーシアム(LIA)をより発展させるべく、欧州での共同研究を加速させます。また、LIAに参画する博士課程の学生の増加を目指します。

関連写真・図

シリコンウエーハ表面に形成された螺旋状ナノポアの電子顕微鏡写真
京都大学−ボルドー大学ジョイントシンポジウムにおける材料科学セッションの様子

代表者情報

深見一弘

・代表者氏名:深見一弘
・所属部局名:工学研究科
・自己紹介:キラリティーを有する無機ナノ材料創製。自然界において有機分子のキラリティーは重要な役割を果たしてきました。一方で、フォトニクスなどの応用の観点から、無機物から成るキラル材料の創製が求められています。本研究で作製する螺旋状の金属ナノ構造は新たな光学材料として注目を集めているところです。
・関連URL:http://www.echem.mtl.kyoto-u.ac.jp/