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SPIRITS

音による細胞内遺伝子制御機構の解明

研究スローガン

細胞は音を認識するのか?

キーワード

細胞、音波、遺伝子、遺伝子操作

研究背景および目的

細胞は音を認識するのか。そんな素朴な疑問から、生命と音の関係を新たな視点から解き明かす未科学分野に挑戦しました。生命の最小単位である細胞は、我々一個体と同様に様々な物質や光・温度・圧力などを認識し応答しますが、音(可聴域の音波)への応答については全くといってよいほど研究がありません。そこで我々は、生命科学と音響工学の連携により、音波刺激が細胞に与える影響を、主に遺伝子活性に着目して探索しました。

成果の要約

様々な音・細胞種・条件で解析を繰り返した結果、可聴域の音波刺激で遺伝子発現が変化する例を見出すことに成功しました。この現象は音の波形によって効果が異なり、また特定の細胞種でのみ見られること等も明らかにしました。音が直接影響したのか、あるいは音が熱や振動などに変換され影響したのかは今後の研究が必要ですが、可聴音を一次源とする刺激で遺伝子発現が変化することを、世界で初めて体系的に明らかにしたものです。

今後の展望

今後、音による細胞への影響をより多角的に研究し、生命と音の関係を新たな側面から解き明かしていきたいと考えています。

関連写真・図

実験系の概念図
マイクロアレイと定量PCRによる遺伝子解析

代表者情報

粂田昌宏

・代表者氏名:粂田昌宏
・所属部局名:生命科学研究科
・自己紹介:2000年京都大学入学、2010年に京都大学生命科学研究科にて博士号取得、同年より同研究科・助教。細胞の中で「物」が「情報」を伝える仕組みに興味があります。細かいことを大雑把に考えるのが得意。
・関連URL:http://www.chrom.lif.kyoto-u.ac.jp/index.html