Research Support
SPIRITS

地球共生系を支える植物揮発性物質の生理・生態・大気的代謝と機能:遺伝子から地球まで

研究スローガン

生物の多種共存を維持する地球共生系の解明:遺伝子機能から生態系機能まで

キーワード

地球共生系、揮発性物質、植物、相互作用ネットワーク、情報ネットワーク

研究背景および目的

多様な生物が共存する地球環境の維持のためには、現在の地球における生き物の関係性を正しく理解し、保全する必要がある。そのためには、生き物が直接的・間接的に作用しあう相互作用ネットワークと、生き物間の情報をやり取りする関係(情報ネットワーク)の総体としての相互作用・情報ネットワークシステムの理解が不可欠である。本研究は、異分野研究者の融合からこの相互作用・情報ネットワーク系の解明を目的としている。

成果の要約

植物は、食害、病害等のストレスに応答し通常の数十倍~数百倍の揮発性物質を誘導的に放出する。これらは大気中並びに生物表面において変質し、新たな機能を獲得し、相互作用・情報ネットワーク系を駆動する重要な物質である。植物揮発性物質の情報性が変動・変質しつつ多様な生物の多種共存を支えているという新たな概念(生態系相互作用・情報ネットワークシステムを支える揮発性物質の情報メタ代謝)を創出した。

今後の展望

現在の研究グループを維持しつつ、相互作用・情報ネットワークシステムにおける植物揮発性物質の情報メタ代謝の研究を発展させるために、大型の研究費の獲得を目指す。研究内容と研究体制から、新学術領域への申請しかない。

関連写真・図

生態系相互作用・情報ネットワークシステム 我々が目で見て分かるのは、図第一層の食物連鎖。二層、三層は情報化学物質をやり取りする関係で、認識できないが、第一層を支えている。

代表者情報

高林純示

・代表者氏名:高林純示
・所属部局名:京都大学生態学研究センター
・自己紹介:植物と昆虫の会話を解読しよう! 植物-昆虫間、昆虫-昆虫間、植物-植物間では化学物質が言葉となって様々な会話が成立しています。生態系における植物、昆虫の会話を紐解くことは、生物多様性の謎に迫るだけでなく、環境にやさしい農業にも繋がります。
・関連URL:http://www.ecology.kyoto-u.ac.jp/