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SPIRITS

「翻訳としての哲学」と他文化理解:双方向的国際化に向けた哲学と教育の学際研究

研究スローガン

翻訳としての哲学——内なる越境を通じた周縁からの文化との邂逅

キーワード

翻訳としての哲学、<他>文化理解、双方向的な真の国際化、哲学の女性性、言語、共約不可能性、判断の行使

研究背景および目的

本プロジェクトは、「翻訳としての哲学」を通じ他文化理解に資する哲学と教育の学際研究に取り組む。双方向的な真の国際化を支える高度な語学力を備えたグローバルリーダーの育成に資するリベラル・アーツ教育を提言する。とりわけ本プロジェクトは、翻訳の実践が判断の感覚を育むという点を強調しつつ、言語間および言語内的な翻訳の重要性を示す。これは、他文化理解との関係において重要であると同時に、海外に行く学生、学術研究者、ビジネス関係者にとっても関連性をもつ。

成果の要約

本プロジェクトは、教育と哲学の国際的対話を飛躍的に発展させ、京都大学の国際的なプレゼンスを高めた。国際チームメンバーとの協力のもとでの英語出版数の急速な増加および若手研究者の国際的活動の高まりを達成し、女性哲学者の国際連携を加速させた。研究の成果は、文化差との関係から翻訳の問題を表面化させると同時に、文化的に多様な環境で善き生活を送ることの重要性を示した。この点において翻訳の経験は、特別な重要性をもつものであることが明らかになった。

今後の展望

1.世界的にトップレベルにある国際研究機関の研究者たちと英語の共編著書を出版する。

2.翻訳経験を通じてどのように判断力が行使・育成されるかという点についての認識を広め、かつその道徳的重要性を明らかにする。

3.研究やビジネスで海外へ赴く人びとの一助となるべく他文化理解を高める。

4.大学の国際化に寄与する。

関連写真・図

SPIRITSプロジェクト国際ネットワーク展開
境界を越える周縁的声の対話
Paul Standish and Naoko Saito (eds), Stanley Cavell and Philosophy as Translation: The Truth is Translated (London: Rowman & Littlefield, 2017) 申請代表者齋藤直子とSPIRITS国際メンバーPaul Standish氏との共編著。SPIRITS国際メンバーによる共同研究書。
離昇する教育:境界を超えて対話に従事し思考するコスモポリタン市民の育成に向けて

代表者情報

齋藤直子

・代表者氏名:齋藤直子
・所属部局名:教育学研究科
・自己紹介:ハーバード大学Ed.M、東京大学MA、コロンビア大学Ph.D。京都大学大学院教育学研究科臨床教育学講座准教授。アメリカ哲学、教育哲学専門。欧米を中心に哲学と教育の異文化間対話に従事している近著Paul Standish and Naoko Saito (eds), Stanley Cavell and Philosophy as Translation: The Truth is Translated (Rowman & Littlefileds, 2017)。
・関連URL:http://www.educ.kyoto-u.ac.jp/nsaito/