宇宙における木材資源の実用性に関する基礎的研究

研究スローガン

人類にとって再生可能な資源である木材の宇宙利用を実験的に明らかにする

キーワード

宇宙利用、木材産業、真空環境、木造人工衛星、有人宇宙活動

研究背景および目的

本研究は、再生可能な資源であり、人類が地球上で生存し文明を創り上げることを可能にした木材資源の宇宙利用の可能性を実験的に明らかにすることである。人類はいよいよ有人宇宙探査を始めようとしている。人類が恒久的に宇宙に展開するためには、宇宙で必要となる材料資源をどこから調達するかという課題がある。人類が作り出すことのできる資源である樹木・木材を宇宙で利用することができれば、宇宙での材料資源の課題を解決することが可能になる。本研究の成功は、金属材料に頼った現在の宇宙進出のあり方を根本的に変える可能性を持ち、人類文明の発展に新たな方向性を与えるものである。

成果の要約

真空下(10万分の1気圧)において長期間(6カ月以上)暴露された各種針葉樹(スギ、ヒノキ)及び広葉樹(センダン、ホオノキ、ケヤキ)の物性変化を観察した。各樹種とも真空下において安定した弾性特性を保持し、真空環境は木質の劣化を引き起こさないことを明らかにした。上記の結果をもとに、宇宙・成層圏・海洋汚染を起こさない木造人工衛星を提案した。木造人工衛星は、環境にやさしく地球周辺の宇宙空間の恒久的利用を可能にする。

今後の展望

平成31年度は、木造人工衛星チームを作り、宇宙環境の木材に及ぼす影響を調べる木造人工衛星の概念設計を始める予定である。2020年以降は、木造人工衛星の基礎設計、エンジニアリングモデルの製作、地上実験を経て、フライトモデルの製作を行い、2020年代半ばにはフライト実験に進みたいと考えている。

関連写真・図

代表者情報

土井 隆雄

・代表者氏名:土井 隆雄
・所属部局名:学際融合教育研究推進センター宇宙総合学研究ユニット
・自己紹介:1997年、スペースシャトル「コロンビア号」に搭乗し、日本人として初めての船外活動を行う。2008年、スペースシャトル「エンデバー号」に搭乗。日本初の有人宇宙施設「きぼう」を国際宇宙ステーションに取り付ける。2009年から2016年にかけて、国連宇宙部で宇宙科学技術の啓蒙普及活動に取り組む。2016年4月より京都大学宇宙総合学研究ユニット特定教授に就任。有人宇宙学。