3カ国間技術提携による転写因子様ナノ粒子の開発と関節軟骨再生の実現
研究スローガン
3カ国間における技術ネットワーク形成による人工転写因子の開発
キーワード
遺伝子スイッチ、人工転写因子、細胞機能制御、遺伝子転写制御、分化誘導
研究背景および目的
DNAシーケンシングの進歩により、幹細胞分化に重要な転写因子が多く同定されてきたが、複雑な遺伝子ネットワークやエピジェネティック機構の存在によりこれらの人工的かつ正確な制御は難しい。我々はナノテクノロジーを用いて天然の転写因子が持つ構造を模倣したマテリアルを開発し、遺伝子転写の正確なON/OFF制御を目指している。この実現のため3カ国にまたがる研究ネットワークを形成し、積極的な技術交換を行う。
成果の要約
スイスのAO研究所とはMoUを締結し活発な研究交流関係を構築した。開発に必要な種々の化合物設計については、これまでに計8報の報告を行っている。開発中のマテリアルは、複数の遺伝子ネットワークの正確な制御が可能なものとして、3カ国共著による論文発表を予定している。プロジェクト期間中2回の国際シンポジウムを開催し、更なる研究ネットワークの拡大に成功した。新たな外部資金も獲得し、本テーマの継続が可能となった。
今後の展望
採用中に構築したネットワークにより効率的な技術交換が可能となり、更なる研究の発展が期待される。今後は国際的研究資金も視野に入れつつ、他の遺伝子ネットワーク制御への応用を見据えた研究を行う予定である。
関連写真・図
共同研究機関
AO研究所、ラトガース大学
代表者情報
・代表者氏名:NAMASIVAYAM Ganesh Pandian
・所属部局名:高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(CeMS)
・自己紹介:物質-細胞統合システム拠点の講師・PIであり、ケミカルバイオロジーとエピジェネティクス、特に人工的転写制御に取り組んでいる。趣味はチェスと映画鑑賞。
・関連URL:
http://www.icems.kyoto-u.ac.jp/en/wwa/