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京都大学発モデル植物「ゼニゴケ」を用いて植物発生原理を解明する国際研究基盤の確立

研究スローガン

京都大学発モデル植物ゼニゴケを用いて植物発生原理を解明する

キーワード

苔類ゼニゴケ、植物発生、進化、オーキシン、国際共同研究

研究背景および目的

陸上植物進化の基部に位置し、京都大学でモデル生物化されたゼニゴケを用いて植物の発生原理、特にパターン形成や幹細胞制御の仕組みを明らかにすることを目的とする。強力な発生解析手法であるクローナル解析の専門家である英国研究者、植物ホルモン・オーキシンの信号伝達研究のリーダーである蘭国研究者、日本人植物組織学者と共同研究を推進する。それを基盤として、ゼニゴケ発生の国際研究拠点の形成を目指す。

成果の要約

日英蘭の研究者によるデータ取得と頻繁かつ密な議論により、ゼニゴケの発生過程における細胞分裂パターンや幹細胞の細胞系譜、およびそれらの確立におけるオーキシンの役割について研究が進展した。2年目には国際シンポジウムを開催し、新たな海外研究者との研究ネットワークを形成した。また、京都大学博士後期課程学生を英国の大学に長期派遣することにより、研究者としての飛躍的な成長を促した意義は大きい。

今後の展望

本プロジェクトで築いたネットワークをさらに拡張させ、多元的な国際共同研究を展開していく。数理モデルも取り入れた解析を行い、植物の発生・成長のさらに高次の仕組みを明らかにしたい。

関連写真・図

2018年9月に行われた国際シンポジウムのスピーカー
京大博士後期課程学生がブリストル大学にて実験を開始(2017年7月)
ブリストル大学での論文投稿に向けたディスカッション(2019年2月)
共催したNIBBカンファレンスのポスター
JPR国際シンポジウムプログラム

代表者情報

西浜 竜一

・代表者氏名:西浜 竜一
・所属部局名:生命科学研究科
・自己紹介:名古屋大学にて博士(理学)取得。スタンフォード大学医学部研究員などを経て、現職は京都大学大学院生命科学研究科准教授。大学院生のときに研究した細胞分裂機構の精巧さに魅せられて以来、細胞分裂の研究に従事。細胞分裂制御の視点から、植物の生存戦略を理解する研究を目指している。
・関連URL:
http://www.plantmb.lif.kyoto-u.ac.jp/