ゲノム比較による種多様性の進化・生態的機構に関する国際共同研究
研究スローガン
昆虫の種多様性をもたらしたゲノムの多様化を解き明かす
キーワード
昆虫、種多様性、ゲノム、適応、進化
研究背景および目的
本研究では、全ゲノム配列情報に基づき、種の多様化に関わる鍵形質を支配する遺伝子基盤を、種内個体群間・多型間のゲノム比較によって解明する。また、全ゲノム領域からの配列情報に基づいて系統解析を行うことにより、鍵形質の進化を再構築し、異質性に富む環境での地理的隔離、自然選択、性選択の作用による種の多様化過程を解明する。研究対象として、北米の周期ゼミとアゲハチョウ属のベイツ型擬態多型を取り上げる。
成果の要約
初年度には、日本、アメリカ、中国、イギリス、台湾の研究者が京都に集まり、全ゲノム解析に基づく種多様性研究に関する研究者ネットワークを強化するとともに、新たな共同研究の可能性について話し合った。周期ゼミ研究においては、プロジェクト期間内に、周期ゼミ研究の本拠地アメリカ・コネチカット大学を訪問し、さらに日中米の研究者を集めたワークショップを京都で開催して3カ国の共同研究体制を確立した。
今後の展望
本プロジェクトにおいて構想した研究計画の実施に努める。とくに中国、アメリカの研究者と連携しながら、周期ゼミの全ゲノム解読、比較ゲノム解析を推進するとともに、若手後継研究者を育成したい。
関連写真・図
共同研究機関
コネチカット大学、中国農業大学、台湾師範大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ロンドン自然史博物館、ワシントン州立大学
代表者情報
・代表者氏名:曽田 貞滋
・所属部局名:理学研究科
・自己紹介:1986年京都大学農学博士。佐賀医科大学、信州大学理学部を経て、1998年より京都大学大学院理学研究科。「なぜ多くの昆虫の種がいるのか」について、進化生態学の立場から研究しています。
・関連URL:
http://sites.google.com/site/sotateijihomepage/home