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地球温暖化抑制と岩盤物性向上を同時に達成するシステムの創出のための国際共同研究

研究スローガン

地球温暖化抑制と岩盤物性向上を同時に達成するシステムの創出

キーワード

地球温暖化、岩盤、破壊、透水性

共同研究機関

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ノースカロライナ大学シャーロット校、中国東北大学

研究背景および目的

地球温暖化は世界的な問題であり、その抑制のためには二酸化炭素(CO2)の排出削減が重要である。そこで、地球規模で問題となっている地球温暖化を、地球温暖化ガスであるCO2を排出させず、炭酸塩鉱物析出の形で固定することによって岩盤内のき裂・空隙を充填して強度を向上させるシステムを、国際共同研究の形で創出することを目的とした。

成果の要約

炭酸水注入により岩盤遮蔽性能が向上する可能性を示した。この成果はCO2排出削減による地球温暖化抑制に貢献すると同時に、様々な地下岩盤を利用する工学プロジェクトの安全性を高めることにも貢献する可能性がある。また、国内外の研究ネットワーク拡大に成功し、新たな競争的外部資金の獲得につながった。多くの研究者をまとめ、プロジェクトを遂行できる統括力を向上させることができ、さらに、ビジョンを提示し、プロジェクトの目標を達成できる構想力も向上させることができたと考えている。

今後の展望

破壊修復を加速する機構を見出し、それを岩盤の強度と遮蔽性能の向上につなげ、同時に環境保全と安全な地下空間利用に貢献する成果を挙げることを目指す。また、国際共同研究をサポートする外部資金に応募し、今後より国際共同研究ネットワークを強固にし、幅広く展開していきたい。

関連写真・図

幌延町での現地検討会での地下岩盤見学の様子

代表者情報

奈良禎太

代表者氏名:奈良禎太
所属部局名:工学研究科
自己紹介:京都大学工学研究科准教授(2016年より)。専門は岩石力学、破壊力学。特に、岩石の力学的性質や破壊に及ぼす周辺環境の影響に関する内容が主な研究対象。エネルギー資源開発や地下岩盤の利用、環境保全に役立つ研究の遂行と発展に取り組んでいる。
関連URL:http://geo.kumst.kyoto-u.ac.jp/lab/member/nara.html