Research Support
SPIRITS

イスラーム経済知を活用したポスト資本主義社会創出のための国際研究ネットワーク構築

研究スローガン

イスラームから新しい経済社会パラダイムを構想する

キーワード

イスラーム経済、イスラーム経済知の普遍化、ポスト資本主義

研究背景および目的

本研究プロジェクトは、近年、イスラーム世界で急速に発展してきている「イスラーム経済」という新しい経済社会実践に焦点を当て、そこで展開されている独自のしくみや社会発展モデル(まとめて「イスラーム経済知」と呼ぶ)を、ポスト資本主義時代の新たな経済社会パラダイムとして地球社会全体のよりよい未来の創出のためにどのように応用・活用可能かを日本、マレーシア、インドネシア、中東、英国、フランスの6つの研究クラスターの共同研究によって探究するものである。

成果の要約

本プロジェクトの主たる成果は二つある。ひとつは、多言語による研究成果公開であり、英語、トルコ語、インドネシア語、マレー語、フランス語の5言語による研究ブックレットシリーズ(Kyoto Series of Islamic Economic Studies)を2021年3月に5冊同時出版した。また、日本社会への研究成果発信の取り組みとして、紙および電子媒体のハイブリッド形式の入門書を2020年12月に2冊出版した(以上で合計6言語による出版)。もう1つは、本プロジェクトをもとにした京都大学をハブとした新たな国際研究プラットフォームとして、各クラスターとの連携の下、「京都大学イスラーム経済研究プロジェクト(Kyoto University Islamic Economic Studies Project、通称KUISES)」を2021年3月に立ち上げた。

今後の展望

本プロジェクトで立ち上げた「京都大学イスラーム経済研究プロジェクト」を拡充すべく、国際共同研究を深化させていくとともに、イスラーム以外の地域や他ディシプリンの研究者たちとも連携し、比較の観点からイスラーム経済の独自性と普遍性を検討することで、ポスト資本主義の新たな経済社会パラダイムのあり方を共同で提起していきたいと考えている。

関連写真・図

本プロジェクトの一環として開催された国際ワークショップ(2019年9月)
本プロジェクトの成果である多言語出版(上段=左から英語、トルコ語、インドネシア語、マレー語、フランス語、下段=日本語)

代表者情報

長岡慎介

代表者氏名:長岡慎介
所属部局名:アジア・アフリカ地域研究研究科
自己紹介:専門はイスラーム経済論、ポスト資本主義論。主たる著書『現代イスラーム金融論』(名古屋大学出版会)、『お金ってなんだろう?あなたと考えたいこれからの経済』(平凡社)
関連URL:http://nagaoka.world.coocan.jp/