Research Support
SPIRITS

バイオ・オシレーションの数理・実験科学による学際研究と医学研究への展開

研究スローガン

腸の収縮リズムが同期する仕組みを明らかにする

キーワード

腸ぜん動運動、オルガノイド、結合振動子

研究背景および目的

生体リズムは腸の運動(収縮)リズムでも身近なように生命の維持に重要な基本要素の1つである。本プロジェクトでは、独自に開発した「腸収縮オルガノイド」を軸に収縮リズムが同期する仕組みを実験および数理を融合した学際研究から解明することを目指す。また、この研究成果に立脚しヒト腸疾患の原因や治療法の可能性を探りたい。

成果の要約

本研究では、腸収縮オルガノイド同士が接着したときに起こる収縮リズムの同期について解析を行い、同期に重要な細胞群を特定することに成功した。数理解析からは、リズム発信を担うリーダー細胞とそれに従うフォロワー細胞の存在が推定された。また、この学際的研究を発展させ、長期ビジョンの提示が求められる研究資金の獲得へ繋げることができた。

今後の展望

本研究における学際的なアプローチにより収縮のリズム同期を担う細胞群の性質がみえてきた。今後は数理解析から推定されたリーダー細胞・フォロワー細胞の実際の姿を明らかにし、同期を担うシグナル伝達の機構解明を目指すとともに、ヒト腸疾患を治療する手法の可能性を継続的に考えてゆきたい。

関連写真・図

収縮オルガノイドの同期現象(プロジェクトメンバー矢ヶ崎怜作成)

代表者情報

稲葉 真史

代表者氏名: 稲葉 真史
所属部局名: 理学研究科
自己紹介: 2012年に大阪大学大学院生命機能研究科修了、博士(理学)。専門は発生生物学。現在、リズムが関わる形態形成について研究中。

関連URL: https://researchmap.jp/inabamasafumi