Research Support
SPIRITS

カオスから探るブラックホールの新しい描像

研究スローガン

カオスの研究からブラックホールの情報損失問題を解明

キーワード

カオス、ブラックホール、情報損失問題、弦理論

研究背景および目的

超強度の重力によって光をも外に逃がさないブラックホールは、最も謎に満ちた天体である。ブラックホールはホーキング輻射と呼ばれる過程を通じて、内部に落ちた物体の情報を放出すると考えられている。しかし、その情報を回復する機構は未だに解明されていない。本研究の目的は、このブラックホールの内部構造について、素粒子論、非線形動力学、応用カオスの専門知識を融合し、「カオス」の観点から新たな描像を模索することである。

成果の要約

素粒子論、非線形動力学、応用カオスの専門家が一堂に会し、その専門知識を共有することで、ブラックホールとカオスの関係について、新たな共同研究の方向性を複数見出すことができた。また、本研究プロジェクトの予算を用いて、国立台湾大学との研究交流を兼ねた国際会議を開催し、連携を強化するとともに新たな共同研究を立ち上げることができた。

今後の展望

本研究プロジェクトを通じて結成した研究グループで、引き続き定期的に研究交流するためのミーティングを開催し、カオスとブラックホールに関連する最新の専門知識の共有を図り、共同研究を進めていきたい。また、この研究基盤を維持し、さらに拡充するために、SPIRITSに代わる財源として、基盤Aなどの別の大型の財源の獲得を狙いたい。

関連写真・図

第1回研究交流会議における議論

代表者情報

吉田 健太郎

代表者氏名: 吉田 健太郎
所属部局名: 理学研究科
自己紹介: 専門は素粒子論で、主な研究分野は超弦理論とその数理的な性質。最近は、ゲージ理論と重力理論の双対性における数理構造に興味をもって研究している。趣味はボーリングとオンラインゲーム。