京都大学アカデミックデイ2018

ロールプレイングによる支援と理解啓発

研究者からの一言:RPGを人間の学びと発達に活かす研究やってます

TRPGやLARPというロールプレイングゲームのシステムを理解啓発や教育支援に援用する研究は、海外では以前より取り組まれている。本発表では、TRPGを特別支援教育・発達障害児支援に応用した実践事例の紹介と、LARPをひきこもり当事者心情を体験するためのLARPプログラムの内容について解説する。

出展代表者

大学院文学研究科
 Björn-Ole Kamm 講師

参加者

大学院文学研究科
 Björn-Ole Kamm 講師
東京学芸大学
 加藤 浩平 研究員

関連URL

https://www.cats.bun.kyoto-u.ac.jp/jdts/

https://www.b-ok.de/ja/vsc_larp/

https://www.facebook.com/comgame2014/

来場者より

実際にとりくんでみたいで賞
ぼくの話をよく聞いてくれた賞
私もLARPしてみたいで賞
TRPGやってみたくなる賞

アカデミックデイを経ての感想

LARPやTRPGという「ロールプレイング(ゲーム)」の研究について、予想以上に皆さんに興味を持っていただけて良かったです。特に、ブースに立ち寄ってくれた人たちの中に「教員として発達障害のある子どもを支援している」「私も不登校/引きこもりの経験がありました」という方々がいて、ご自身のエピソードや経験を教えてくださり、大変勉強になりました。

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

若者にお勧めしたい本

絵でわかる なぜなぜ会話ルールブック:これでわかるコミュニケーションのなぞ

藤野 博・綿貫愛子 著

「話すときに目を見るのはなぜ?」「なぜ遠回しな言い方をするの?」といった、会話やコミュニケーションについての素朴な疑問を心理学・言語学を基に解説した本。想定されている読者対象は小学生ですが、高校生や大学生、大人でも十分面白く読める、人間のコミュニケーションのユニークさに気づけます。ASD(自閉スペクトラム症)の当事者の視点を取り入れている点も本書の大きな特徴です。【加藤】

ストーリーメーカー 創作のための物語論

大塚 英志

若者が受動的なオーディエンス(読者)にとどまらず、自己表現や自分の物語を作成できるようになるための非常に優れた物語制作マニュアルです。なお、大塚英志はTRPGについても研究しており、物語論、キャラクター小説論等の本の筆者でもあります。【KAMM】

自分の研究に関連して紹介したい本

自閉スペクトラムの発達科学(発達科学ハンドブック10)

日本発達心理学会 編 /藤野 博・東條吉邦 責任編集

これまで治療や行動修正の対象になる病理現象として捉えられてきた自閉スペクトラム症(ASD)を、発達の多様性の具体的な現れという視点で捉え直し、心理学、医学、支援者、当事者など多様な立場から、基礎研究と臨床研究、また萌芽的な研究や試みも含め最先端の知見を展望し、新たな方向性を探求した書籍。発表者の一人(加藤)が、「余暇活動支援」の章で、TRPGの研究と実践について執筆しています。【加藤】

取り扱い: 京都大学図書館

自己と他者の統治 コレージュ・ド・フランス講義1982-1983

ミシェル・フーコー (著)・阿部 崇 (翻訳)

本書(日本語訳)だけでなく、本書の英語訳そしてフーコーの他の講義記録や論文は、自分の研究方向に強い影響を与えました。「常識・当たり前に疑問を持つ」というスタンスを大切にしたいと思うようになった1冊です。 フーコーは哲学者・歴史学者ですが、「パワー(権力)は人が持つものではなく、人々の間の関係性だ」という彼の考え方は社会科学においても非常に重要な洞察だと思います。【KAMM】

取り扱い: 京都大学図書館

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