京都大学アカデミックデイ2019

疾患モデルの意義とその具体例

研究者からの一言:難病を治せるようになるには何が必要だと思いますか?

難病の原因を探ったり治療法を開発するためには「モデル」が必要です。人間の病気を完全に再現することは困難ですが、様々な「モデル」を用いることでそこから見えてくるものがあります。ここでは疾患のモデル化についての一般論を簡単にお示ししつつ、私たちが作成したモデルについても発表します。

出展代表者

大学院医学研究科
 高橋 良輔 教授

参加者

大学院医学研究科
 田口 智之 大学院生
 石本 智之 大学院生
 鈴木 英文 大学院生
 大原 寛明 大学院生
 天野 郁子 テクニカルスタッフ

来場者より

難病なんて怖くないで賞
動物に感謝しま賞
難病治療に光を与えてほしいで賞
生物実験を子どもに教えてくれて一つ大人にしてくれたで賞
話しの流れが自分にもよく伝わったで賞
マウスがかわいかった賞
話しやすかったで賞
丁寧に説明してくれたで賞
ピペッティング賞
一緒に研究したいと思ったで賞

アカデミックデイを経ての感想

全く違う背景を持った研究者や一般の方に研究内容を説明する中で、普段の学会発表等とはまた違った刺激を頂きました。自分が見つけたいこと、伝えたいことは何なのかを見つめなおしたり、他者にわかりやすく説明するにはどうしたら良いかを訓練したりする良い機会にもなったと思います。大変貴重な経験ができ、とても有意義な1日であったと感じています。

フォトギャラリー

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本

稀で特異な精神症候群ないし状態像

中安 信夫 / 星和書店

研修医の時に出会った、不思議な症状を訴える患者さん。総合診療科のベテラン医師に相談してようやく候補に挙がった「不思議の国のアリス症候群」を調べるうちに出会った本でした。人間の精神や脳というものはこれほど多彩な病状を示しうるのだということに衝撃を受けた覚えがあります。私は脳という物理的な側面からアプローチしていくことを選び脳神経内科医となりましたが、精神科的な側面から見てももちろん興味深い一冊と思われます。

取り扱い: 京都大学図書館

若者にお勧めしたい本

マリー・アントワネットの植物誌: ヴェルサイユ宮殿 秘密の花園

エリザベット・ド フェドー (著), アラン バラトン (監修), Elisabeth de Feydeau (原著), Alain Baraton (原著), 川口 健夫 (翻訳) / 原書房

豪華絢爛な生活や散財で有名なマリー・アントワネットが収集させた世界中の植物が、美しいボタニカルアートと共に紹介されています。また、当時の植物学だけでなく、医学、香水学についても知ることができ、彼女の植物への愛も垣間見ることができます。眺めるだけでも癒される、美しい本となっています。

取り扱い: 京都大学図書館

自分の研究に関連して紹介したい本

脳の中の幽霊

V・S・ラマチャンドラン / 角川書店

中枢神経の障害によって生じる奇妙で興味深い症状の実例を挙げつつ、脳の不思議について紹介・解説されている一冊です。著者自身が神経科学者でもありますが、どちらかと言えば心理学的な切り口かつ平易な表現で書かれており、医学的な専門知識が無くとも楽しく読むことができると思います。

取り扱い: 京都大学図書館

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