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SPIRITS

心の働きを制御する心の働きを探る国際共同研究

研究スローガン

心の働きを支える記憶のメカニズムを探る

キーワード

記憶、ワーキングメモリ、認知制御、実行機能

研究背景、目的及び成果の要約

人間の思考と行為は、目標に対応して変化・修正する柔軟性を備えている。この仕組みの中核をなすのが実行機能(executive function)と呼ばれる心の働きで、「心の働きを制御する心の働き」である。ワーキングメモリ(working memory)は、目標に関連した情報の保持を担うことで、実行機能を支えているが、本研究では、このワーキングメモリには、作業の手順や手続き情報を覚えておく手続的ワーキングメモリとしての機能があることを示した。また、他者の心的状態を推測するという社会的文脈における実行機能の役割、ワーキングメモリトレーニングの有効性についても、それらの可能性と限界について検討した。

今後の展望

本プロジェクトでは、手続的ワーキングメモリについての実験的検討に加え、ワーキングメモリトレーニングを捉える新しい理論的枠組みを提案した。この枠組みに基づいて、記憶エキスパートおよびエキスパートの記憶について検討していく予定である。

関連写真・図

京都大学アカデミックデイ2014(2014年9月28日開催)出展ポスターと実験デモの様子。
国際ワークショップ「Current Directions in Working Memory Research」終了後のグループ写真(2014年10月15日)

代表者情報

齊藤智

・代表者氏名:齊藤智
・所属部局名:教育学研究科
・自己紹介:京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。2002年より京都大学大学院教育学研究科教育認知心理学講座助教授(2007年より准教授)。2000年〜2001年、ブリストル大学客員研究員。人間の記憶の機能とメカニズムを認知心理学的手法を用いて研究している。