Research Support
SPIRITS

意味認知・言語理解にかかわる神経基盤の包括的解明

研究スローガン

まだまだ未解明の意味理解にかかわるヒト脳領域を探る

キーワード

意味認知、言語、腹側言語経路、高次脳機能、機能代償

研究背景、目的及び成果の要約

近年、ブローカ野−弓状束−ウェルニッケ野といった古典的な言語背側経路に加えて、側頭葉後方領域、前方領域、そしてブローカ野にいたる腹側言語経路が注目されている。本経路は意味理解にかかわる経路として重要視されているが、経路内の機能分担、結合様式などの詳細は未だ解明されていない。我々は、マンチェスター大学との共同臨床研究により、臨床脳機能マッピング、神経心理検査、機能的MRIを統合的に用いて、左側頭葉前方底部領域が意味認知機能の中核領域であることを明らかにした。

今後の展望

腹側言語経路の手術後や脳損傷、認知症により言語/意味認知の機能障害がある患者さんにおいて、その機能回復の代償機構の解明を目指す。代償機構の解明は、言語の意味理解に重点をおいた言語リハビリテーションへの応用が期待される。

関連写真・図

意味認知課題の例
側頭葉前方底部領域は意味認知機能の中核である

代表者情報

松本理器

・代表者氏名:松本理器
・所属部局名:医学研究科
・自己紹介:臨床神経学とシステム神経科学は表裏一体であり、神経内科医として両者の架け橋を目指して、臨床現場での問題点を解決すべく、日夜、臨床、教育、研究に従事しています。
・関連URL:
  京都大学大学院医学研究科てんかん・運動異常生理学講座 http://epilepsy.med.kyoto-u.ac.jp
  研究代表者 Citations homepage (Scopus, Google Scholar) http://scholar.google.com/citations?hl=en&user=8QUXx2UAAAAJ