Research Support
SPIRITS
「比良おろし」の突風被害予報システムを核とした風害適応型レジリエント・コミュニティー構築
研究スローガン
極端気象の最新予報技術に立脚したレジリエント・コミュニティー」の一般化モデルの確立
キーワード
研究成果の社会実装、文理融合、レジリエント・コミュニティー
研究背景および目的
比良おろしは琵琶湖西側の比良山地から琵琶湖岸に吹き降りる強風である。比良おろしによる強風は時に最大瞬間風速50m/s以上にも達し、トラックの横転、建物破損、沿線鉄道の運休・遅延なども頻繁に発生し地域住民の安全安心を脅かしている。
その対策として天気予報結果をもとに対策を行っているが従来技術では予報的中率は30%を下回っておりランダム予報にも劣るため、予報を活用した有効な対策は不十分なのが現状である。
成果の要約
本プロジェクトは比良おろしという現象を軸に研究成果の社会実装を目指し、文理融合、産官学連携を基にプロジェクトマネージャーの育成、国内外のネットワークを形成することにより、大型外部資金の獲得やガバメントセクターとのつながりを構築することができ、大学研究の社会貢献に向けた方向性を見出すことができた。
今後の展望
高精度突風予測システムを核として災害常襲地域へ地域文化のヒアリングに精通したコーディネーターを中心に対話を重視した「市民のための科学」のあり方、「科学と行政の関わり方」を整理し環境適応型情報伝達のあり方について研究を進めて行く予定である。
関連写真・図
代表者情報
・代表者氏名:古本淳一
・所属部局名:生存圏研究所
・自己紹介:地球大気環境を精密に計測する新技術の開発に取り組んでおり、地表付近の大気観測にも研究領域を拡大して研究を推進しています。近年は大学を中心とした産学公連携ネットワークと地域コミュニティーを有機的に組み合わせて問題解決型の研究を進めています。