Research Support
SPIRITS
経済多重ネットワークのビッグデータ分析による景気変動解明のための国際共同研究
研究スローガン
経済Big Dataからネットワークへ、実証的な経済現象の科学を
キーワード
ネットワーク科学、景気変動、時系列解析、同期現象
研究背景および目的
経済については近年、ビッグデータが蓄積されてきている。日本だけをとっても100-200万社程度の企業や数百の金融機関があり、経済活動に参加する「経済主体」は膨大な数にのぼる。したがって、ビッグデータを解析して経済現象の深層に迫る実証的な経済の科学を確立するには、新しい手法をもって、大規模な計算リソースと統計(物理学的)理論を総動員する必要がある。本研究はまさにこの背景で生まれた。
成果の要約
本研究では、経済主体が構成する複雑ネットワークの手法を開発し、世界の金融・為替、個別物価と景気変動などの種々の経済現象の深層に迫った。実際のビッグデータには多くの経済主体が連動して引き起こす集団運動が潜んでいる。それらを同定し、ダイナミクスを解明するために、ここではCHPCA+RRSを用いて同期ネットワークを構成する手法を開発し、幾多の現象に適用し、連動構造を明らかにした。
今後の展望
経済現象の深層でのダイナミクスに迫る研究はまだ端緒についたばかりである。本プロジェクトではいくつか国際共同研究を確立することができた。それを今後強力に進めていき、研究を拡大させていく。
関連写真・図
代表者情報
・代表者氏名:青山秀明
・所属部局名:理学研究科
・自己紹介:私は理論物理学・素粒子論を専門としてきました。そこで培った手法、理論を広く世の中の現象の解明に応用することで世の中に役に立ちたいという気持ちがあり、経済現象の研究にも従事しています。