Research Support
SPIRITS

超弦理論から創発される新しい低エネルギー有効理論

研究スローガン

新しい超重力理論を糸口に超弦理論の研究に革命を起こす!

キーワード

弦理論、重力理論、場の量子論、ゲージ・重力対応

研究背景および目的

超弦理論の低エネルギー有効理論である超重力理論は長年にわたり、調べられ続けてきた。ところが、2016年、この超重力理論に見落としがある可能性がTseytlinとWulffによって指摘された。これまでの構成場以外に「余分な背景場」が登場することがむしろ自然であり、低エネルギー有効理論は「一般化された超重力理論」に置き換えられる。この発見は超弦理論の根幹に関する極めて重要な進展であり、その示唆する物理の解明は焦眉の課題である。

成果の要約

本研究プロジェクトにより、一般化された超重力理論の解として与えられる背景時空上の弦理論における量子論的な整合性について、大きな理解の進展があり、その結果はPhysical Review Letters詩に掲載された。また、基盤研究Bを研究代表者として獲得することができ、その資金を用いて、ポスドク研究員の石井貴昭氏を雇用できた。この石井氏は、SPIRITSプロジェクトにおける活動を通して、PM型研究リーダーとして貴重な経験を得ることができた。

今後の展望

新規の研究課題に切り替えて、新たなSPIRITSプロジェクト(国際型)として採択された。本研究プロジェクトによって構築された国際共同研究のネットワークを継続・維持するとともに、更なる拡充を図りたい。また基盤Bから基盤Aにステップアップできるように努力したい。

関連写真・図

一般化された超重力理論の特性量と時空の非可換性を関係付ける公式
国際会議「Non-Perturbative Methods in Field Theory and String Theory」における集合写真 (2018年10月)

共同研究機関

ベルン大学、アジア太平洋理論物理学研究所、国立台湾大学、国家理論科学研究中心、ヴロツワフ大学、ワルシャワ大学、ヘリオット・ワット大学、ウィーン大学、グローニンゲン大学、基礎科学研究所、パリ高等師範学校、ランダウ理論物理学研究所、西江大学、ヨーク大学、ムルシア大学

代表者情報

吉田 健太郎

・代表者氏名:吉田 健太郎
・所属部局名:理学研究科
・自己紹介:専門は素粒子論で、主な研究分野は超弦理論とその数理的な性質。最近は、一般化された超重力理論における解を背景時空とした超弦理論の量子論的な整合性について興味をもって研究している。趣味はボウリングとカラオケ。
・関連URL:
 http://kdb.iimc.kyoto-u.ac.jp/j/dD9rQ
 http://www-gauge.scphys.kyoto-u.ac.jp/