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SPIRITS

半乾燥熱帯地域における食と栄養の安全保障

研究スローガン

気候変動に強い食料システムによる食と栄養の安全保障の構築

キーワード

気候変動、食料システム、栄養、食料安全保障、アフリカ

研究背景および目的

地球規模の環境変動に対する懸念が拡大する中、食と栄養の安全保障の、将来の気候変動に対する適応対策が求められている。特に天水に依存する地帯では、農業生産の変動による幼少期の食料摂取の低下に伴う栄養不良は長期的な人的資源の形成に影響を与える可能性がある。気候変動に強い農業生産と消費システムのあり方を考えることで半乾燥熱帯アフリカ地域の食と栄養の安全保障を高めるための方策を提言する。

成果の要約

気候変動対応作物としてのソルガムの干ばつ発生時の有効性をあらためて確認した。また食料摂取の多様性は季節変動が激しく、農業生態条件によっても異なることが明らかとなった。ザンビア農業研究所と共同で開催したワークショップから食と栄養の安全保障に関係する新たな人脈を形成し、国際共同研究の協力体制を構築することが出来た。ザンビア大学と京都大学との大学間学術交流協定を参加部局として締結した。参加した若手研究者はワークショップの企画を行い、タブレットを活用した新たな世帯調査方法を導入するなどしてプロジェクトへ貢献した。

今後の展望

途上国における食料摂取の季節変動についてはそのメカニズム、要因、対策に関するさらなる調査が必要である。また食と栄養の安全保障への政策提言に効果的な調査デザイン、データ収集と分析方法について国際共同研究を通じて今後さらに検討していきたい。

関連写真・図

試験圃場のソルガム畑で、ソルガムの結実状況を確認する現地アシスタントら(2018/19年作期)
ソルガムの種子を受け取った村人たち(2019年11月)
SPIRITSルサカワークショップの参加メンバー(2019年8月)

共同研究機関

ザンビア農業研究所

代表者情報

梅津 千恵子

・代表者氏名:梅津 千恵子
・所属部局名:農学研究科
・自己紹介:専門は農業資源経済学。総合地球環境学研究所でザンビアをフィールドとする「社会・生態システムの脆弱性とレジリアンス」プロジェクトのリーダーを務めた後、2016年より現職。ケニアの農村地帯で理数科教師をした経験がある。