アフリカ原産有用植物の生息地保全と在来知に基づいたワイズユース
研究スローガン
アフリカ産有用植物の生態・流通を知り、その保全を考える
キーワード
植物利用、フェアトレード、民族生物学、熱帯生態学、地域研究
研究背景および目的
コーヒー、ヤシ油、アロマオイルなど、アフリカ原産の植物資源はわたしたちの生活のなかに広く浸透している。いっぽう原産地であるアフリカでは、生態系の攪乱・劣化、植物資源の乱獲、社会変動や外部アクターによる搾取といった問題が噴出している。本プロジェクトでは、有用植物をはぐくんできた健全な生態系や農業景観、また、それらの有用性を見出したアフリカの人々の知恵のあり方を解明し、持続的かつ地域環境に適合した利用方法を提案する。
成果の要約
本プロジェクトにより、アフリカ有用植物に関する約10編の英文学術論文、約20編の国際学会発表論文が公表された。パリ、京都にて国際シンポジウムを開催し、ギニア、エチオピア、マダガスカルほかアフリカ人研究者、フランス、米国ほか欧米の研究者と日本人研究者をつなぐ人的ネットワークを構築できた。また、これらの人脈を通じ、アンタナナリヴ大学(マダガスカル)、フロリダ大学(米国)と京都大学との全学学術交流協定の締結を実現した。
今後の展望
実施期間中、すでに参加メンバーによる2件の科研費獲得があった。今後も、アフリカ産有用植物の利用・流通の実態と保全をテーマにした研究を発展させた科研費を申請する。また、本プロジェクトが形成した、若手アフリカ人研究者による人的ネットワークを支援するため、研究拠点形成事業に申請する。
関連写真・図
共同研究機関
アジスアベバ大学、アンタナナリヴ大学、フランス社会科学高等研究院、国際アグロフォレストリー研究センター、フロリダ大学、ボッソウ環境研究所
代表者情報
・代表者氏名:山越 言
・所属部局名:アフリカ地域研究資料センター
・自己紹介:京都大学霊長類研究所にて野生チンパンジーの採食生態学研究で学位取得。アフリカの野生動物と地域住民の文化・生業との関係について、地域研究の立場から文理融合的な研究を進めている。
・関連URL等:http://jambo.africa.kyoto-u.ac.jp/africa_division/yamakoshi-gen/