Research Support
SPIRITS

多分野協奏による新奇プラズマ状態の創成と粒子加速

研究スローガン

多分野融合研究が拓く新しいプラズマ科学

キーワード

ナノ材料加工、キラル材料、高エネルギー密度プラズマ、高強度レーザー

研究背景および目的

非線形現象(複雑系)は宇宙物理、プラズマ物理、合成化学、材料工学など様々な分野でみられる一般性のある物理現象である。本プロジェクトでは、高強度レーザーをターゲット材料に照射することで得られる高エネルギー密度プラズマを研究対象とし、ターゲット材料創製、レーザー照射実験、シミュレーションの全てを非線形性に立脚して推進することで、新たな多分野融合研究領域の創出をめざした。

成果の要約

本研究では従来手法では作製が極めて難しいナノサイズのらせん状金属構造体を自己組織化により作製することに成功した。また、これらの構造体に見立てたSiナノロッド集合体に高強度レーザーを照射し、様々なプラズマの新しい振る舞いを見出した。研究にあたっては、仏ボルドー大学の研究者らと分野を超えて国際連携を強化し学際融合・国際連携研究へと発展させることができた。

今後の展望

本研究を通じて高強度レーザー照射用ターゲットの基本構造であるらせん状金属ナノ構造の作製が可能になった。現在、これらのらせん状金属ナノ構造を基板表面にサブミクロンスケールで精密に配列させようと試みている。これが達成されれば、高強度レーザー照射によるらせん構造由来の新しいプラズマの振る舞いが見出させると期待される。

関連写真・図

電気化学表面ナノ加工における自己組織化でえられるらせん状ナノ構造の電子顕微鏡写真
高強度レーザー照射に用いたSiナノロッドアレイの電子顕微鏡写真

代表者情報

深見一弘

代表者氏名:深見一弘
所属部局名:工学研究科
自己紹介:2006年11月大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。2006年京都大学エネルギー理工学研究所助手(その後助教)を経て、2013年10月より現職。2011-2012年Alexander von Humboldt財団研究員としてミュンヘン工科大学にて研究に従事。専門分野は電気化学・非線形科学。
関連URL:http://www.echem.mtl.kyoto-u.ac.jp/index_fukami.html