Research Support
SPIRITS

バンコク堆積平野をパイロットサイトとした長周期地震早期警報のための国際共同研究

研究スローガン

バンコクに長周期地震動の早期警報システムを構築する

キーワード

地震工学、長周期地震動、地盤調査、微動観測、人材育成

共同研究機関

マヒドン大学、チェンマイ大学、タイ気象局

研究背景および目的

バンコク首都圏エリアは1000 万人以上の人口を持つタイの社会・経済の中心であり、高層ビルが林立している。バンコクは地震活動度の高い地域から離れているにもかかわらず、遠地地震の長周期の揺れによる危険度が非常に高い。本プロジェクトでは、(1)深い基盤を有するバンコク堆積平野の震動特性を把握する、(2)長距離地震の予測モデルを構築する、(3)バンコクの長周期地震動に対する地震早期警報システムのプロトタイプを開発する、の3つを柱として研究を行った。

成果の要約

マヒドン大学、チェンマイ大学およびタイ気象局チームとの国際共同研究により、バンコク首都圏エリアの深い基盤までの3次元地盤のモデル化、及び日本の気象庁の取り組みに準じた長距離地震の回帰モデルを構築するとともに、地震直後にマグニチュードと震源さえわかれば、バンコク市街でどのようなレベルの長周期の揺れが生じるかを、現地のタイで利用できる推定式を用いて予測できる手法を提示した。

今後の展望

この2年間で培ってきたマヒドン大学およびチェンマイ大学との共同研究内容とその推進体制を発展・継続させるとともに、共著論文のジャーナル投稿による成果の発信や、タイにおける長周期地震動の早期警報の実装に向けた研究を展開させたい。

関連写真・図

タイ気象局で行われたセミナーにおける集合写真
マヒドン大学での微動アレー観測

代表者情報

清野純史

代表者氏名:清野純史
所属部局名:工学研究科
自己紹介:専門は、地震工学・耐震工学・防災工学・ライフライン地震工学。地盤条件とその地震動特性に着目した地震ハザードや震度階の研究、災害による人的被害軽減のための社会技術、災害時の避難行動問題の力学的観点からの定量化等の研究を推進している。2004年のスマトラ沖地震以降、毎年学生とともにインドネシアで防災教育活動を継続している。
関連URL:http://quake.kuciv.kyoto-u.ac.jp/