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SPIRITS

冷戦期東アジアにおける学知の広報外交−国際共同研究と複数言語出版

研究スローガン

「知と外交」にまつわる国際共同研究の成果を3か国語で発信する。

キーワード

知、外交、東アジア、アメリカ、冷戦

共同研究機関

東京大学、日本大学、広島大学、忠南大学校、高麗大学校、全北大学校、国立政治大学、浙江大学、ミネソタ大学、コロラド大学、インディアナ大学、ワシントン大学

研究背景および目的

冷戦初期(1940年代末~60年代)の東アジアにおいて、地域研究、科学技術、ジャーナリズムなどの学知や専門知が形成される過程は、米ソ対立や、アメリカによる潤沢な資金援助の大きな影響を受けた。しかし大国の影響のみならず、国家分断や植民地主義の遺産もまた重要な要素であった。本研究プロジェクトでは、日本・米国・中国・台湾・韓国の研究者による共同研究によって、知と外交との関係を多角的に探求した。

成果の要約

2年間の共同研究の成果を『外交としての知―冷戦期のアメリカと東アジア』(仮題)にまとめ、複数言語(日本語・英語・中国語)で刊行する準備を進めている。中国語版はすでに台湾の出版社で編集作業が進み、日本語版も2021年度の刊行が決まっている。英語版については米国の出版社でピア・レビュー中である。共著書の編纂や研究会を通して、日本・米国・中国・台湾・韓国の研究者ネットワークが築かれた。またそのネットワークを土台として次の科研研究への足掛かりができた。

今後の展望

現在編集作業が進んでいる中国語版・日本語版の共著書を2021年度中に刊行し、2022年に英語版の刊行を目指す。またSPIRITS共同研究の延長上で応募した新たな科研プロジェクトが採択されたため、これに着手して4年後の続編出版を目指す。

関連写真・図

2020年1月、新型コロナ禍が始まる直前に京都で開催し、非常に重要となったワークショップ

代表者情報

土屋由香

代表者氏名:土屋由香
所属部局名:人間・環境学研究科
自己紹介:2004年ミネソタ大学アメリカ研究科で博士学位取得。愛媛大学法文学部教授を経て京都大学人間・環境学研究科教授。専門は冷戦期アメリカの広報文化外交。近著に『文化冷戦と科学技術―アメリカの対外情報プログラムとアジア』(京都大学学術出版会、2021年)。
関連URL:http://www.tsuchiya.jinkan.kyoto-u.ac.jp/