Research Support
SPIRITS

世界的に絶滅が危惧されるコウモリ類の保全に向けたグローバルアクションプランの策定

研究スローガン

旧熱帯区に生息するオオコウモリ目(Chiroptera)の状況を世界的に概観し、調査と保全に関して各方面に勧告する

キーワード

生物学的保全、生物多様性、オオコウモリ、島々、ガイドライン

共同研究機関

国際自然保護連合(IUCN)、テキサス工科大学、モーリシャス大学

研究背景および目的

オオコウモリ目オオコウモリ属(Pteropus)のコウモリは世界で最も絶滅の恐れがあると見られているが、その生態系が持つ機能は一部地域の地元経済にとって重要なものである。しかし過去30年間、このコウモリの生存と生息状況を評価する世界的な取り組みはなかった。本プロジェクトでは、この危機的な状況の好転に取り組む。まず、世界の旧熱帯区に生息する各種コウモリの保全状況を観測するため、専門家によるグローバルネットワークの早急な設立を目指す。特に、コウモリが置かれている状況を可視化し、世界的な傾向の推測に注力する。専門家の交流によって科学的な参考文献の執筆を促し、ひいては旧熱帯区に生息するオオコウモリ目全般の保全にむけたアクションプランの策定に結びつける。

成果の要約

本プロジェクトの元で、コウモリの生態と保護に関する世界的な専門家が集まり、研究グループが発足。テキサス工科大教授でIUCNのコウモリ専門家グループリーダーのキングストン氏とモーリシャス大学のフロレンス准教授とともに、旧熱帯区に生息するオオコウモリ目が直面する脅威と保護に向けた対応策について、2本の論文を執筆した。本プロジェクトはさらに、コウモリ—ウイルス間の研究ならびに航空生態学におけるイニシアチブを生み出した。

今後の展望

将来の調査と保全イニシアチブを効果的に方向付ける、国際自然保護連合(IUCN)が後押ししうるアクションプランの策定を目指す。

関連写真・図

石垣島で絶滅の恐れがあるコウモリを調査
絶滅危惧種のクマオオコウモリ(Pteropus niger)。モーリシャス政府による駆除政策により絶滅の危機にさらされている(Photo by Jacques de Spéville)

代表者情報

Christian VINCENOT

代表者氏名:ヴィンセノ・クリスティアン・エレネスト
所属部局名:情報学研究科
自己紹介:自己紹介:元々の専門分野であるコンピューター・サイエンスの生態学への応用を目指す。特に世界的に絶滅の恐れがあるコウモリを対象に、調査と保全活動を続ける。生物圏情報学講座ではコンピューター・モデリングに注力した学際的な生態情報学を研究。
関連URL:www.vincenot.biz(P.I. website)
www.batresearch.net(Bat research)