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新規ウイルスベクターを用いた非侵襲的な霊長類脳への遺伝子導入技術の開発

研究スローガン

ウイルスベクターを用いた非侵襲的な霊長類脳への遺伝子導入技術の開発

キーワード

ウイルスベクター、経頭蓋集束超音波照射、脳、遺伝子導入、霊長類

共同研究機関

HM CINAC

研究背景および目的

本研究プロジェクトでは、新規ウイルスベクターとベクターデリバリーシステムの開発により、非侵襲的な霊長類脳への遺伝子導入を実現し、その技術を実用的なレベルで確立することを目的とする。そのため、ウイルスベクターの静脈内投与と、マイクロバブルおよび経頭蓋集束超音波照射(tFUS)を利用した遺伝子導入手法により、ヒトに近縁なマカクザルにおいて非侵襲的かつ特定の脳部位に選択的に外来遺伝子を導入する先端技術を開発する。

成果の要約

新規に開発したウイルスベクターが、静脈内投与により全脳レベルで神経細胞への高い遺伝子導入効率を示すことを検証するとともに、経頭蓋集束超音波照射を利用して特定の脳部位に選択的に外来遺伝子を導入する手法の開発に成功した。本研究成果は、精神・神経疾患に関わる遺伝子改変霊長類モデルの作出、および非侵襲的遺伝子治療技術の開発に資する。また、プロジェクトマネジャー型研究リーダーの輩出についても一定の成果を上げることができた。

今後の展望

今後は、経頭蓋集束超音波照射による脳組織への損傷を抑制するとともに、ターゲットニューロン群へのより効果的かつ効率的な外来遺伝子導入技術を確立するため、ベクターデリバリーシステムの最適化を検討し、早期の論文化を目指す。

関連写真・図

新規ウイルスベクターの静脈内投与による新生児サル脳への遺伝子導入
ウイルスベクターの静脈内投与とtFUSを併用した成体サル脳への遺伝子導入

代表者情報

高田昌彦

代表者氏名:高田昌彦
所属部局名:霊長類研究所
自己紹介:京都大学医学博士。カナダや米国で研究生活を送ったのち、京都大学大学院医学研究科、東京都神経科学総合研究所(現東京都医学総合研究所)を経て、2009年より京都大学霊長類研究所教授。専門は大脳皮質―大脳基底核連関、パーキンソン病。座右の銘は乾坤一擲。
関連URL:http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/sections/systems_neuroscience/index.html