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肺移植後免疫応答の包括的理解を目指す国際共同研究

研究スローガン

肺移植後免疫応答の包括的理解を目指す国際共同研究

キーワード

臓器移植、肺、免疫、拒絶反応

研究背景および目的

本プロジェクトの目的は、肺移植に特徴的な免疫応答を包括的に理解し、新たな治療ターゲットを探索することで、他の臓器移植にくらべて特に予後不良である肺移植後患者さんの予後向上に貢献することです。京都大学とワシントン大学で、肺移植後早期に起こる肺障害である虚血再灌流肺障害と、慢性期の障害である慢性拒絶について、それぞれ異なった視点から研究をすすめ、知見を共有し、さらに研究を発展させることを目標にしました。

成果の要約

京都大学においては、過度の炎症を収束させるとして報告される抗炎症性脂質メディエーターの虚血再灌流肺障害における役割の解明、低用量の免疫抑制剤を用いて慢性拒絶を発症させるマウス肺移植モデルを確立しました。京都大学からワシントン大学に参画した研究員が虚血再灌流肺障害と拒絶反応の関連をテーマにした研究に携わり、お互いの研究知見を共有しました。さらに、慢性期の移植肺に与える影響を検討する多施設共同臨床研究の基盤を確立しました。

今後の展望

本研究で確立した実験モデルや知見をもとに、慢性拒絶を制御するための新たな治療ターゲットを探索するとともに、臨床と基礎の両面で、さらなる国際共同研究の発展に取り組んでいきたいと考えています。

関連写真・図

国際共同研究体制と開発したマウス肺移植慢性拒絶モデル

代表者情報

田中 里奈

代表者氏名: 田中 里奈
所属部局名: 京都大学医学部附属病院 呼吸器外科
自己紹介: 三井記念病院や西神戸医療センターなどで外科・呼吸器外科研修を積み、2014年より京都大学大学院で肺移植研究を行いました。ワシントン大学に研究留学後、2019年より助教として呼吸器外科臨床と肺移植研究の両立を目指しています。

関連URL:https://researchmap.jp/satonat