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SPIRITS

単一細胞内視鏡法を用いた生体内NO検出

研究スローガン

生体内一酸化窒素(NO)の細胞内での真の挙動を明らかにする。

キーワード

生体内一酸化窒素、光刺激性材料、ナノワイヤー単一細胞内視鏡法

研究背景および目的

生体内に存在する一酸化窒素(NO)は、細胞間情報伝達を担う生体ガス分子の一つとして様々な生理機能と関係していることが知られている。一方、NOを用いた治療薬の改良や治療法の汎用性は、NOが気体という特殊な状態であり、目に見えない上に非常に拡散が早いことなどから未だ広がっていない。本プロジェクトでは、新たな光刺激性材料開発とナノワイヤー単一細胞内視鏡技術を駆使して細胞内NOの真の挙動を明らかにする。

成果の要約

本プロジェクトは、材料作製を専門とする京都大学アイセムスと、顕微鏡技術を専門とするベルギーKU Leuvenのメンバーを中心に共同研究を行い、タイミングや位置を制御してNOを放出可能な材料を作製した。またこれを用いて単一細胞膜上でNOが放出される様子を観察することに成功した。期間中、京都大学とKU Leuvenで1回ずつシンポジウムを開催し、研究ネットワークを形成した。また、科研費等、新たな外部資金2件の獲得に繋がった。

今後の展望

今後はより生体に近い環境下にある平滑筋細胞に対して、開発した方法でNO放出を行いNOの細胞内での真の挙動解明を目指す。また、本プロジェクトで形成したネットワークを基盤とし、新たな国際共同研究予算の獲得を目指す。

関連写真・図

ナノワイヤーを用いた単一細胞レベルNO放出
SPIRITS/LIMNI joint workshop 2022

代表者情報

猪瀬 朋子

代表者氏名: 猪瀬 朋子
所属部局名: 白眉センター/高等研究院
自己紹介: 2015年大阪大学理学研究科博士課程修了、同年北海道大学助教に着任。北海道大学にてナノワイヤー単一細胞内視鏡技術を学ぶ。2020年より京都大学物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)特定助教を経て、2023年より京都大学白眉センター特定准教授に着任。

関連URL等: https://theinosegroup.wordpress.com/