Workshop
ワークショップ

国際結婚と2世の社会包摂に関する連続セミナー 「国際結婚と子どもの社会包摂-愛・ケア・労働」

開催日

2015年2月8日(日)、2月9日(月)、2月10日(火)

会場

2月8日(日) 京都大学文学部新館 地下大会議室
2月9日(月) 京都大学吉田泉殿
2月10日(火)  京都市内中学校

メンバー

辻本登志子 京都大学アジア研究教育ユニット研究員
吉田絵弥 京都大学大学院文学研究科修士課程
伊藤志穂 京都大学大学院文学研究科修士課程
額田聖菜 京都大学大学院文学研究科修士課程
その他外部より総計20名

ワークショップ概要

『国際結婚と2世の社会包摂に関する連続セミナー 「国際結婚と子どもの社会包摂-愛・ケア・労働」』

◆2月8日(日)

13時00分 概要説明-安里和晃(京都大学文学研究科/特定准教授)

13時10分 報告1  中山美紀子(京都市立春日丘中学校/講師)

14時40分 ディスカッション
        Allan Paul Ducusin(フィリピン政府在外フィリピン人委員会/移民サービス担当官II)
        中山美紀子(京都市立春日丘中学校/講師)

15時10分 報告2  雨笠雅克(太田国際介護アカデミー株式会社/代表取締役)

16時40分 ディスカッション
        Janet ramos(フィリピン政府在外フィリピン人委員会/移民サービス担当官II)
        雨笠雅克(太田国際介護アカデミー株式会社/代表取締役)

17時10分 〈終了〉

◆2月9日(月)

13時00分 概要説明-安里和晃(京都大学文学研究科/特定准教授)

13時10分 報告1 Allan Paul Ducusin(フィリピン政府在外フィリピン人委員会/移民サービス担当官II) 

        ディスカッション

15時10分  報告2 Janet ramos(フィリピン政府在外フィリピン人委員会/移民サービス担当官II)

        ディスカッション

17時10分 〈終了〉

多様な方々に登壇していただき、多方面から在日フィリピン人に対する理解を促進することができた。
2月8日 中学校日本語支援教員(中学校におけるフィリピン系生徒の現状)と元ブローカーによるセミナーを開催した。また、外国人向けの介護系学校についてのレクチャーもいただいた。ブローカーに関する話はほとんど聞く機会のないものであり、強い刺激を頂くと同時に問題の根深さ痛感した。
9日 フィリピン政府在外フィリピン人委員会の人身売買担当職員と渡航前研修担当職員によるセミナーを実施し、フィリピンにおける移民の実態や、政策について報告。さらに人身売買の実態について報告を頂く。
10日 フィリピン政府職員とともに京都市内中学校訪問。授業見学後、生徒たちと面会。生徒の日本における生活の本音などについて語り合う。その後意見交換を実施した。

*ワークショップ開催で得たもの

ワークショップを通じて、学習支援以外のことについて多くを学習した。たとえばフィリピン系移民の背景、ブローカーの仕組み、就労上の問題点について、である。また国際交流センター、ブローカー、職業訓練学校、フィリピン政府職員とのつながりができたことは今後の取り組みを考えるうえで大いに生かされることになると思う。

*今後の展望

今後は、5月ごろに父親を日本人とする、フィリピン在住の子どもたちを招聘して劇を公演してもらう予定である8月ごろにはフィリピン研究会全国大会において、ワークショップの知見などを活かして報告を行う。また、フィリピン研修を2015年8月か2016年2月ごろに実施し、学習支援の経験やワークショップの知見を、フィリピン政府で報告する予定である。日本での経験をフィリピンで生かすことが、この問題を考える根本的な取り組みの1つとなるであろう。

*ワークショップを開催しての感想・メッセージ

学習支援に従事すると、その範囲でしか考えるることができなくなる傾向がある。しかし、こういったワークショップを通じて多分野が交流できる機会があると、移民の抱える問題も大きく異なって見える。また、学習支援の実施は重要だが、現象に対応するだけの対症療法になってしまうので、それだけはなく、根本的な解決に向けての行動と計画、また構造を正しく認識するための学問の領域で理解することが今後必要であることを認識した。