文化と両義性
山口昌男 / 岩波現代文庫
70年代の日本の文化人類学を代表する一冊。「中心と周縁」という概念を軸とした、新しい文化理論を提起するもの。「違和」と「異和」の違いって何だろう?!文化や社会への見方を広げるための訓練書。
取り扱い: 京都大学図書館
研究者からの一言:「贈与」と「交換」でつながる島嶼の地域社会
グローバリゼーションの状況下で、島嶼に生きる人びとの生活は急激に変化しています。人びとは自然・社会環境の変化にどのように対応しているのでしょうか?フィールドワークの事例をもとに、アジア太平洋島嶼地域の生活戦略について一緒に考えてみましょう。
東南アジア研究所
紺屋 あかり 連携助教
東南アジア研究所
紺屋 あかり 連携助教
佐久間 香子 連携研究員
神戸大学
古川 文美子 特命助教
人見知りと言われた方が一生懸命話してくれたで賞
研究のウラ話を話してくれたで賞
きっといつかは日の出を見るで賞
一生懸命説明してくれたで賞
考え方が共感できる賞
島民の生活に体を張って密着したで賞
真珠がキラキラ賞
これからの研究も期待しています賞
チャレンジ賞
研究のヒントをいただけたで賞
当日は、様々な年齢層・職業の方と「島嶼地域の今」について話しをすることができました。
東南アジア・太平洋に実際に足を運んだことのない方々に、島の暮らしのいろいろについて話し合えたことは、私自身にとっても島を見つめ直す良いきっかけとなりました。
島嶼の自立型経済について、すでにあるものに価値を付加し国外に流通させるという、持続的資源利用モデルへの可能性を指摘される方が多く、それは非常に刺激的な発見でした。
「例外」の多い島嶼地域の面白さについてお話する機会が持て、とても楽しく、さらなる研究の展開に意欲が湧きました。
ありがとうございました。
本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。
山口昌男 / 岩波現代文庫
70年代の日本の文化人類学を代表する一冊。「中心と周縁」という概念を軸とした、新しい文化理論を提起するもの。「違和」と「異和」の違いって何だろう?!文化や社会への見方を広げるための訓練書。
取り扱い: 京都大学図書館
清水昭俊 / 世界思想社
以下に引用する文章が研究のきっかけといっても過言ではありません。「周辺民族は、世界の構造の中でほとんど見るべき役割を果たしていないがゆえに無視してよい存在なのではない。事実は全く逆である。彼らは世界の構造的中心から不可視にされた存在であり、それゆえに、彼らの存在自体が世界の構造の不可視の存在を代表している。〈中略〉この意味で、不可視の存在である周辺民族を認識することなしには、現代世界を理解することはできない」
取り扱い: 京都大学図書館
マリリン・ストラザーン / 水声社
人と出来事と自然のつながりを考える本。ポストプルーラル人類学と呼ばれる新しい学問的潮流を提示する一冊。「彼らの視点」と「私たちの視点」が共立する時、一体何が見えるのか?
取り扱い: 京都大学図書館
ブロニスワフ・マリノフスキ / 講談社学術文庫
クラ交易、カヌー、呪術。太平洋の島々を知るためのエッセンスが盛り込まれた古典書。著者のマリノフスキ博士が島の文化や社会をどのように観察しているのか?調査が行われた1917年の歴史的背景と重ねながら、当時の島を想像してみてください。
取り扱い: 京都大学図書館
塩田光基 / 彩流社
今、太平洋地域社会で何が起こっているのか?!宗教、ジェンダー、権力、集団性など様々なテーマから島嶼世界を読み解く、島の現在を知るための必読書。
取り扱い: 京都大学図書館
Knappen, Han / KITLV Press
1600年から1880年のボルネオ島南東地域のバリト川流域を中心とする一帯が本書の舞台です。この地域における林産物交易を含む、在地民による森林利用と彼ら生業経済・儀礼・家族構成などの生活の変遷から、熱帯雨林の環境の変化を分析した本書は、歴史研究における港市分析以外のアリーナを提示している点で人類学者にとても読みごたえのある1冊です。
取り扱い: 京都大学図書館