知的生活の方法
渡部昇一 / 講談社現代新書
渡部昇一氏の名著。知識人とはどのような人間なのか、そこに近づくにはどのような生活を送ったらよいのかを教えてくれたのが本書です。その領域にはまだまだ程遠い私ですが、数々の悩みをやり過ごしながらも、研究と知識で飯を食う生活に憧れを持ち続けることができたのは、本書のおかげだったと今にして思います。絶版ですが、本書の続編「続・知的生活の方法」(講談社現代新書)の方が個人的には好きで、こちらは古書で現在も流通しています。
研究者からの一言:骨や歯の治療を最大限支援する材料の研究をしています
自然界を見渡すと、セラミックスの中には高温を必要とせず、骨や貝殻のように常温でしかも水溶液から作られるものがあります。私たちはこのような生物の営みに学んだ手法で、骨に含まれるセラミックス成分「アパタイト」を人工的に作るプロセスを開発し、骨と強く結合する人工骨や、からだになじみやすい薬のカプセルを開発しています。
エネルギー科学研究科
薮塚 武史 助教
エネルギー科学研究科
薮塚 武史 助教
城所 泰孝 修士課程2年
昼田 智子 修士課程1年
山本 雅也 修士課程1年
工学部
栗本 翔太 4年
渡辺 慎 4年
http://fssc.energy.kyoto-u.ac.jp
ていねいに説明してくれたで賞
質問たくさん聞いてくれたで賞
説明上手でしたで賞
虫歯が治りそうな気がするで賞
色々作ってくれたで賞
研究者のウラ話を赤裸々に話してくれたで賞
前回に引き続き参加をさせていただきました。
この会は学会とは異なり、ご年配の方々から小学生まで、一般の方々に広く京大の研究をアピールするためには欠かせない場であるとともに社会に成果をわかりやすく発信し、還元していくことの大切さと面白さを教えてくれる貴重な場であると実感いたしました。
今回ご来場いただいた参加者の皆様、そしてこのような素晴らしい会をご企画いただいた学術研究支援室の方々に同グループ一同厚く御礼申し上げます。
本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。
渡部昇一 / 講談社現代新書
渡部昇一氏の名著。知識人とはどのような人間なのか、そこに近づくにはどのような生活を送ったらよいのかを教えてくれたのが本書です。その領域にはまだまだ程遠い私ですが、数々の悩みをやり過ごしながらも、研究と知識で飯を食う生活に憧れを持ち続けることができたのは、本書のおかげだったと今にして思います。絶版ですが、本書の続編「続・知的生活の方法」(講談社現代新書)の方が個人的には好きで、こちらは古書で現在も流通しています。
南木佳士 / 文春文庫
著者が秋田大学医学部で実際に医学生だったころをモチーフにして書いたとされる名作中の名作。私は医学部を志したことはありませんでしたが、今にして思えば、本書が医学のお手伝いをする「生体材料学」という分野を志すきっかけの一つだったように思います。エリート養成機関が舞台の話にしては実に泥臭く、切ないエピソードが満載です。人の命をあずかる仕事に就くことの大変さが、内臓をえぐられるかのようなリアルな文章で描かれています。
マーク・ミーオドヴニク(著)、松井信彦(翻訳) / インターシフト
医療、情報、電気、食生活、交通、…私たちは普段何の疑問もなく最新の科学技術を享受しながら日常生活を送っておりますが、それらを根幹で支えてくれているのが「材料」の技術です。本書では鋼鉄、ガラス、紙、プラスチックなど、陰ながら私たちの生活を支えている10の材料にまつわるエピソードがまとめられています。なお第10章では、高齢者の生活を支援するインプラントについて語られています。
取り扱い: 京都大学図書館
大川慎太郎 / 講談社現代新書
近年のコンピュータ将棋の発展には目を見張るものがあります。つい数年前までは「果たしてコンピュータはプロ棋士に勝てるのか」という図式だったのが、現在では「果たしてプロ棋士はコンピュータに勝てるのか」という図式にあっという間に塗り替えられてしまいました。株式会社ドワンゴ主催の「電王戦」を題材として、プロ棋士がコンピュータと人間との関わり合いについて赤裸々に語った興味深い一冊です。
取り扱い: 京都大学図書館
“セオドア・グレイ(著) ニック・マン(写真) 若林文高(監修) 武井摩利(訳)” / 創元社
ベストセラー「世界で一番美しい元素図鑑」の続編。前書では、周期表を題材に「元素」という物質を構成する最小単位について、様々な角度から解説されていましたが、本書では複数の元素(原子)が集まって構成される「分子」に着目し、実生活で使われている身近な「材料」等に着目した内容に仕上がっております。本書に限らず、写真入りの化学書は実に楽しいもので、おすすめです。
取り扱い: 京都大学図書館
三浦しをん / 新潮文庫
直木賞作家・三浦しをんの処女作。漫画好き文系女子大生の抱腹絶倒就職活動奮戦記です。著者の初期の作品に特有な、ライトなタッチの文章が読者をグイグイ引き込みます。男性の方にも、もちろんおすすめです。
岡崎正之・山下仁大(編著) / コロナ社
日本を代表するセラミックス系生体材料の第一人者の面々が執筆している本書。この分野の骨子が目白押しでおすすめです。内容が専門的すぎてよくわからない方は、第1章「バイオマテリアルとは」と、各章に時折登場する「コーヒーブレイク」という囲み記事だけでも是非ご一読いただきたいと思います。セラミックス系生体材料の科学が、単なるマニアックな知識の塊で構成されているのではなく、物語性を持った研究分野であることを感じさせてくれる一冊です。
取り扱い: 京都大学図書館
古園 勉・岡田正弘 / 秀潤社
長きにわたってアパタイトセラミックス研究に携わってきた古園勉先生(近畿大学)と岡田正弘先生(岡山大学)の共著。両氏ともセラミックスが専門ですが、本書の内容は多岐にわたり、プラスチック系生体材料、セラミックス系生体材料、金属系生体材料のほぼすべてがカバーされています。実際の医療現場で使用されている生体材料が写真入りで数多く紹介されています。お医者さんがどのような道具を使って我々の身体を治してくれているのかを知ることができます。
取り扱い: 京都大学図書館