マラリアはマラリア原虫が引き起こす感染症で、ヒトへの感染はハマダラ蚊を介して起こります。最近ではサルに感染する種類が加わり、五種類存在します。国内では1963年まで流行していましたが。現在では赤道周辺の国々で発生し、年間42万人以上が亡くなっています。予防や治療薬が使用されていますが、その流行は収まりません。今回疫学という学問の視点から感染症の駆逐が困難な点についてお伝えしたいと思います。
開催日時
2021年9月13日(月)19:00~20:00
※ 対話参加者は19:00〜20:45までです。
対話研究者
東南アジア地域研究研究所・連携助教
白川 康一
対話したいこと
長年研究者がマラリアの予防や駆逐について研究を進めていますが、成功に至っていません。薬剤やワクチンの開発や遺伝子レベルの研究がおおく行われていますが、これらの方法以外にマラリアのような感染症対策や駆逐する方法、このような感染症が発生する原因として原虫以外にどのようなことが考えられるかについて対話したいと思います。
対話参加者
募集は締め切りました。(8月23日(月)24:00〆切)
リスナー
募集は締め切りました。(9月12日(日)24:00〆切)
関連URL
https://researchmap.jp/medshirak66
研究者の本棚
本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。
今の仕事(研究、進路)を選ぶきっかけになった本
感染症の数理モデル
稲葉寿/培風館
COVID-19流行初期に報道等でよく目にされた数理モデルは、感染症の患者の増減を数式を用いて、見えない現象を見える化し、患者数の増加や収束の推定に使用されます。元々生態学における動物の捕食被食関係や経済学などで使用され、感染症疫学にも応用されるようになりました。見えない現象を数式で表現し、私たちの健康や社会生活に関わる内容が興味深く書かれています。私自身、感染症疫学の研究に取り組むにあたって、この本(と著者の先生)がそのきっかけを作ってくれたと考えています。
今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)
京都学を楽しむ
知恵の会/勉誠出版
京都で長く生活し、現在に至るまで京都大学に居ながら、その周辺のことをきちんと知る機会がなかった時に出会った書物です。京都の人の気質、祭りに食文化に言葉と幅広く書かれています。大学周辺には銀閣寺や吉田神社など歴史的に有名な寺社も多いですが、百万遍や出町柳など不思議な地名も多く、その由来を知るだけでも面白いと思います。
若者にお勧めしたい本
論理パラドクス論証力を磨く99問
三浦俊彦/二見書房
テレビなどで色々なクイズ番組を見る機会が多いかと思いますが、何かの名称を答えさせるよう知識問題が多いように感じます。本書は哲学や数学、論理学などの伝統的、由緒正しい内容が多く記載されてあり、パズル感覚で読んでいただける内容となっています。ロジカルセンスの鍛錬にお薦めです。また、論理サバイバル、心理パラドクスなどの既刊もあります。
自分の研究に関連して紹介したい本
パンデミック "病" の文化史
赤阪 俊一,米村 泰明,尾崎 恭一,西山 智則/人間と歴史者
西洋と英国の中世、近代日本でのパンデミック(病)について文化史の視点で書かれています。細菌やウイルスの存在自体明らかにされていない時代において、『感染』とは『接触』することで体が汚れることを意味していました。病原体の存在が知られていない時代で、人々がどのように感染症に立ち向かい、その困難を乗り越えたのか、歴史書を読む感覚で楽しめます。
大気生物学入門
川島茂人/朝倉書店
花粉症やインフルエンザ、COVID-19などのウイルス感染症と大気(気象全般)との関りについての入門書です。私自身、熱帯地域をフィールドに研究を行う上で、気象や人の行動、環境などのデータを収集・分析を行っていますが、その基本となる項目がわかりやすく書かれてあり、フィールド調査をしたいと思われる方には参考になる一冊です。
ご質問への回答
イベント時にご要望の多かった、「自分の質問への答えが聞きたかった!」との声にお応えし、白川先生から回答をいただきました。
いただいたご質問は少し表現を変えている場合がございます、ご了承ください。
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