京都大学アカデミックデイズ2021

マイクロ加工技術で創る “イノチ” の器

研究者からの一言:微細なチップが生体を理解・制御する窓口になります。

ヒトの体は、多様な機能を持つ分子や細胞からなり、生体内の場所によってその機能が異なります。我々は、マイクロ加工技術により製作したマイクロ流体デバイス(チップ)を用いて、分子や細胞を取り巻く物理化学的な環境を再現することにより、生体機能を模倣したシステムを開発しています。モータタンパク質の駆動力を利用した分子デバイスや、ヒトiPS細胞由来のオルガノイドを培養するためのオンチップ血管網を紹介します。

開催日時

2021年9月22日(水)19:00~20:00
※ 対話参加者は19:00〜20:45までです。

対話研究者

工学研究科・教授
横川 隆司

対話したいこと

生体の機構や組織を工学的に捉える生体工学の歴史は長く、柔らかくかつ揺らぐ生体機能を定量的に捉えることが可能になってきました。逆に、分子や細胞を取り巻く環境を定量的に規定するとどうなるでしょうか。例えば、iPS細胞の培養環境を変えると、神経や皮膚、血管など様々な細胞に分化させることができます。工学的に生体材料の環境を規定することで何ができるのか、どこまで生体に近づけるのか議論したいと思います。

対話参加者

募集は締め切りました。(8月23日(月)24:00〆切)

リスナー

募集は締め切りました。(9月21日(火)24:00〆切)

関連URL

http://www.ksys.me.kyoto-u.ac.jp/

研究者の本棚

本出展の参加研究者がお勧めする本をご紹介。

今ハマっている本(誰かとこの本について話したい)

小説東京帝国大学

松本清張/新潮文庫

移動中など時間を見つけて清張作品を読むのが趣味です。単なる推理小説ばかりでなく,フィクションからノンフィクションまで昭和の闇の部分や人間性についての描写が,日常の喧噪を忘れさせてくれます。

若者にお勧めしたい本

日本のいちばん長い日

半藤 一利/文春文庫

夏になると第二次大戦に関わる本を読みます。我々の世代は、少なからず戦争を知る世代と接点があり、それが今でも日々の考え方に影響していると思います。現在の学生は、戦争を直接知る世代と接点が無いと思いますので、研究をしばし離れてこのような本を読むのをお勧めします。

自分の研究に関連して紹介したい本

Fundamentals of Microfabrication and Nanotechnology

Marc J. Madou/CRC Press

修士課程の時に留学したUCLAで教科書として使われていました。この本から,マイクロ・ナノの世界を体系的にとらえるようになりました。

Theoretical Microfluidics

Henrik Bruus/Oxford University Press

学部課程で流体力学を修めた学生向けで、大学院の講義に利用しています。なぜマイクロスケールになると流体操作が難しいのか、それを支える理論は何なのか、応用まで含めてわかりやすく解説されています。

ご質問への回答

イベント時にご要望の多かった、「自分の質問への答えが聞きたかった!」との声にお応えし、横川先生から回答をいただきました。
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