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SPIRITS

数理で紐解く精子のパズル:複雑形状流路内の精子遊泳ダイナミクス

研究スローガン

「数理の顕微鏡」で精子の遊泳を探る

キーワード

流体力学、精子、遊泳、数理

研究背景および目的

精子は鞭毛と呼ばれる細いひものような器官を屈曲させることで流体中を遊泳しているが、卵管などの複雑な形状を伴った流路内の運動は、顕微鏡でもその詳細な動きを捉えることは難しい。精子まわりの流体方程式を解析し、精子の運動を数理的に記述することで、実験観測では見えない運動の詳細に迫る。生物実験・画像解析・流体数理解析の統合による、医学・生物学への新たな研究アプローチの確立を目指す。

成果の要約

ヒト精子の高速度カメラの画像から、鞭毛波形を抽出し、精子の遊泳を数理的に再構築することに成功した。これをもとに計算した精子まわりの流れの様子から、精子の運動を記述する単純な数式を見出した。本プロジェクトは異分野国際研究であり、プロジェクトの遂行を通して、研究マネジメントに必要なノウハウを得ることができた。

今後の展望

さらに詳細な実験室実験や具体的な生体内イメージデータなどに対して、培ってきた理論や数値シミュレーションを適用し、研究を進める。不妊治療等の医学への貢献も視野に入れながら、受精のダイナミクスの解明に迫りたい。

関連写真・図

方程式を解くことで得られた精子まわりの流れの様子

代表者情報

石本健太

・代表者氏名:石本健太
・所属部局名:白眉センター
・自己紹介:京都大学白眉センター・特定助教。2015年京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。同年より現職。京都大学数理解析研究所・特任助教(兼任)。専門は流体力学、特に微小生物の遊泳。
・関連URL:
http://academist-cf.com/journal/?p=4094
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/170324_2.html