京都学派の遺産に基づく越境的知の国際ネットワーク形成
研究スローガン
京都学派の知をアジアの中で再考し、世界に向けて新解釈する。
キーワード
日本哲学、京都学派、儒教、東アジアの哲学、アジアの女性哲学
研究背景および目的
本プロジェクトは、「京都学派」を生み出した京都大学に、そこから発信する「日本哲学」研究の国際交流拠点ネットワークを作ることを目指します。従来より組織的な「日本哲学」の共同研究に向けた運営体制を整えるために、「日本哲学」という領域を越境し他の領域と対話を行うことで、「日本哲学」を新たな知へと脱皮させる、これが実質的な目標です。ここでは、儒教を日本哲学の比較対象として、二つの思想の対話を試みます。つまり、アジアという視点から「日本哲学」を考えるのだ、とも言い換えられます。
成果の要約
本研究プロジェクトの中心となった学会、「儒教文化研究のための世界コンソーシアム―東アジアの文脈における日本的経験としての儒教近代」が、2017年11月3-4日に京都大学のイノベーション棟で開催された。24の発表が行われる国際学会となった。各地(日・米・独・台湾・韓・中)から集まった発表者らが友好関係と研究交流を深めた。儒教と日本哲学の分野で研究を深めてきた重鎮と、そして若手研究者が参加し、両分野の交差する問題を歴史的に見直すと同時に、新しい角度から光を当てることもできた。
今後の展望
京都学派の思想的遺産に基づき、2019年には京都大学でアジア女性哲学者学会の大会を、パリ日本文化会館では「人」と「自然」をテーマとする国際・学際学会を開催する。
関連写真・図
代表者情報
・代表者氏名:上原麻有子
・所属部局名:文学研究科
・自己紹介:日本哲学を専攻。翻訳哲学、女性哲学、身体論・顔の表情の研究など、京都学派の哲学を応用する課題の研究を深めている。Journal of Japanese Philosophy(SUNY Press)の編集長を務める。国立社会科学高等研究院(パリ)で博士号を取得。フランス滞在が長く、本人は「故郷はパリ」だと思っている。
・関連URL:
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/japanese_philosophy/jp-top_page/
http://www.nihontetsugaku-philosophie-japonaise.jp/