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持続的な水資源管理のための貯水池土砂管理ネットワークの形成(SDMNet)

研究スローガン

河川流域における土砂・ダム管理(SDMNet)のための国際的な対話型データベースと学際的な研究ネットワークの構築に向けて

キーワード

インタラクティブデータベース、ダムインパクト、貯水池堆砂、土砂管理技術、河川流域管理

研究背景および目的

土砂管理ネットワーク(SDMNet)は、持続可能な水資源管理と健全な水生生態系を促進することを目的とした国際・学際的データベースおよびネットワークである。世界で統合的土砂管理を実施しているダムはごく僅かである。SDMNetは、GIS技術の分析ツールを備え、流域スケールでの土砂管理の成功事例や将来の土砂管理に向けた詳細なシミュレーションに必要となる流域規模の詳細なデータセットを提供することで、今後の既存ダムの改修や運用管理、流域の統合管理、地域社会や国境を越えた意思決定プロセスに役立つことが期待される。

成果の要約

京都大学とスイス連邦工科大学チューリヒ校(ETH)の共同研究では、ダムの土砂管理に関する既存のデータベースやイニシアチブをレビューした。ベトナムのチュイロイ大学との共同研究では、メコンデルタ(VMD)で野外測定を行い、流れと土砂に関する過去からのデータを収集し、上流のダム群がVMDにおける土砂収支と塩分に及ぼす影響を明らかにした。世界の河川流域における貯水池管理の情報を含むインタラクティブなデータベースを、地理的位置、水文学的技術、土砂管理技術およびデータ系列の4つの主要要素の観点から構築した(www.SDMNet.DPRI.Kyoto-u.ac.jp)。

今後の展望

短期的目標は、開発したネットワークやインタラクティブなデータベースを強化し、持続可能な土砂管理に関連するシンポジウムを開催することである。京都大学に土砂管理ネットワークの拠点を設立し、貯水池と土砂管理の革新的な技術を開発する。ダムの影響に関するエコ・ソシオの問題を解決することで学術研究をリードし、若い研究者がダムの機能と安全性を持続的に維持するための新興分野の研究に取り組むことを支援する。

関連写真・図

開発されたネットワークとSDMNetのウェブサイト
さまざまな河川流域における土砂管理技術の分類地図と黒部川を対象とした対話型モジュール

代表者情報

KANTOUSH Sameh

・代表者氏名:KANTOUSH Sameh
・所属部局名:防災研究所 水資源環境研究センター
・自己紹介:カントゥシュ博士は、京都大学防災研究所の准教授である。 佐賀大学とスイスのローザンヌ連邦工科大学(EPFL)から、それぞれ土木・環境工学の修士号と博士号を取得した。研究分野は、浅い流れと土砂輸送、貯水池や越境河川での持続可能性のためのダムの影響と土砂管理技術である。
・関連URL: http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/member_en/4173/