超高放射線量環境における放射線マッピング技術開発に向けた基礎研究
研究スローガン
日英共同研究による廃止措置に向けた基礎基盤研究の拡大
キーワード
福島第一原子力発電所、セラフィールド、廃止措置、対高放射線場、ダイヤモンド検出器
研究背景および目的
本研究は、我が国の東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所や英国のセラフィールド施設に代表される、多量の核燃料物質・放射性物質を内包する高線量条件下高線量条件下にある原子力施設の廃止措置に向けた基盤的研究として、耐高放射線対応の遠隔駆動型放射線検出器システムの開発を英ブリストル大と京都大学が協力して実施したものである。ブリストル大で開発が進められているleakage current型ダイヤモンド検出器及び小型情報収集システムについて、京都大学原子炉実験所(現:複合原子力科学研究所)が保有する各種の放射線照射場を用いてシステムの基礎データを取得した。
成果の要約
本プロジェクトからダイヤモンド中性子検出器システム、放射線を用いたバッテリーシステムなどの新しい研究課題が創出され、英ブリストル大学と京都大学の若手をはじめとする研究者間だけでなく、研究者が所属する研究所間、大学間でより発展的な協力体制が形成された。今後は、本プロジェクトの成果を元に、新しく創出された各研究テーマについて競争的外部資金獲得の申請を行い、更なる研究発展を促進していく。
今後の展望
平成30年度中に共同利用施設である京都大学研究用原子炉や京大炉ライナックを用いて、新しく立ち上がった研究課題の基礎実験を計画している。今後は、英ブリストル大学と京都大学間の共同研究体制を強化し、相互発展につなげていく予定である。
関連写真・図
代表者情報
・代表者氏名:宇根崎博信
・所属部局名:京都大学複合原子力科学研究所(旧:京都大学原子炉実験所)
・自己紹介:原子炉物理学に関する実験研究、数値計算を専門に、エネルギー政策学についても京都大学エネルギー科学研究科において研究・講義を担当している。研究所の核燃料に関するマネジメントを通してIAEA対応など国際的活動にも従事している。