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SPIRITS

新たなポストゲノム手法による絶滅危惧動物の保全に関する国際連携研究

研究スローガン

国際連携によりポストゲノム手法を駆使して野生動物を保全する

キーワード

野生動物、絶滅危惧種、保全、ゲノム、細胞

研究背景および目的

遺伝資源の地域特性をふまえた希少動物の保全を図るため、新たなポストゲノム手法(比較ゲノムや細胞解析)を駆使した国際連携研究を行う。絶滅危惧動物のDNAおよび細胞のデータベースを充実させ、海外の近縁種とのゲノム配列比較により国内の地域特性を明らかにし、保全活動の指針を野外や飼育の現場に提供することを目指す。

成果の要約

野生動物の生息域外・域内保全の研究を行っている米国、英国の研究施設の研究者を相互訪問してセミナーを行い、保全現場を視察するなどして情報交換した。ガーナ大学との共同研究が契機となり、京都大学と大学間交流協定を締結した。さらにサンディエゴ動物園とも部局間協定を締結する予定。参加した多くの若手研究者が外部資金を新規に獲得した。さらにシンポジウムを企画するなど、プロジェクトマネジャー型研究リーダーとして成長した。

今後の展望

海外の研究施設との連携強化によって、個体数変動予測にもとづくニホンイヌワシの保全や再導入への対策を立てる。またDNAのメチル化解析による年齢推定を実用化する。培養細胞の集積を進め、iPS細胞作製によって機能の解明を進める。

関連写真・図

スコットランド北部のイヌワシ観察地にて。Ogdenらの案内で、村山、佐藤、石庭らが訪問した。湿地を長時間歩き、ついにイヌワシの舞う姿を観察できて一同感激した。 
スコットランドの在来種ビーバーの再導入。過去に乱獲のために絶滅したビーバーが、2009年に再導入された。ダムをつくる習性のために森林が浸水して木が枯れる被害がある。水を適度に逃がす工夫により、ビーバーとの共存をはかっている

代表者情報

村山美穂

・代表者氏名:村山美穂
・所属部局名:野生動物研究センター
・自己紹介:2008年にスタートした野生動物研究センター。私たちの「保全ラボ」では、ゲノムや細胞の解析技術を駆使し、国内外の研究機関とも連携して、新たな視点からの保全研究を発展させたいと思います。
・関連URL:http://miho-murayama.sakura.ne.jp/