Research Support
SPIRITS

iPS細胞による異種動物由来医療用ヒト化心臓血管組織の開発

研究スローガン

次世代の心臓血管外科治療のための医療材料をiPS細胞で開発する

キーワード

心臓血管外科手術、脱細胞組織、iPS細胞

研究背景および目的

循環器疾患は今後ますます増加が予想される。脱細胞化したヒト血管や心臓弁の使用は優れた効果を期待できるが、入手数は限られる。そのため脱細胞化したヒトにサイズの近い動物の血管や心臓弁を用いることが新たな医療材料として期待される。さらにヒトiPS細胞技術によりヒト血管内皮細胞や血管平滑筋細胞を多量に得ることができ、移植前にヒトの細胞をもつ「ヒト化心臓血管組織」が実現しうる。

成果の要約

この研究領域で世界をリードしており、すでに欧州で臨床使用されている脱細胞化ヒト大動脈弁および肺動脈弁の研究開発に携わったハノーバー医科大学との連携により、iPS細胞を用いた「ヒト化血管組織」作成に必要な基盤的な技術(ウシ血管の脱細胞技術・脱細胞血管組織のミニブタへの移植技術・ヒトiPS細胞からの高純度の血管内皮細胞回収技術など)をSPIRITSプロジェクトを通して確立できた。

今後の展望

次年度以降はSPIRITSプロジェクトで得られた研究成果をさらに発展させ、「ヒト化人工弁」を実現するための基礎的技術の確立を、SPIRITSプロジェクトで確立された国際共同研究チームにより推進する。

関連写真・図

プロジェクトの概要
ブタ頸動脈へのウシ脱細胞グラフト移植(矢印)

共同研究機関

ハノーファー医科大学

代表者情報

湊谷 謙司

・代表者氏名:湊谷 謙司
・所属部局名:医学研究科
・自己紹介:大動脈瘤などに対する外科手術を中心に、これまで国内外の心臓血管外科施設において外科治療に携わってまいりました。京大病院では、升本英利特定助教とともにiPS細胞を用いた心臓再生医療に関する臨床研究も準備しています。
・関連URL等:http://kyoto-cvs.jp/