Research Support
SPIRITS
機能性人工RNP顆粒による相分離原理の探求と細胞の機能制御
研究スローガン
RNAとタンパク質による細胞内の構造体を創って理解する
キーワード
合成生物学、RNA、液-液相分離、RNA結合タンパク質
共同研究機関
パリ高等師範学校(ENS)、ソルボンヌ大学
研究背景および目的
細胞は核や小胞体など、膜によって囲われた区画を持ち、特定の分子や反応を局在化させています。一方で、細胞は膜を使わずに、水と油が分離するように特定の分子や反応を局在させることもできます。本研究では、このような液相と液相で分離した区画を細胞の中で人工的に作ることによって、その形成原理を理解することを目指しました。
成果の要約
フランスの生物物理学者との共同研究により、RNAやタンパク質が細胞内の液-液相分離に与えている影響を定量的に評価することを試みた。また、2019年5月から2020年1月にかけて、物理学者と生物学者による計3回のセミナーを開催した。2020年度からは代表者が研究代表として特別推進研究に採択されており、今後これらのネットワークを強化する基盤を構築した。
今後の展望
SPIRITSの支援によって得られた研究成果やネットワークをもとに、新たな研究員や学生を迎え、より国際的で学際的なアプローチを取り、細胞内顆粒の構築原理の解明と精密な設計を試みます。
関連写真・図
代表者情報
代表者氏名:齊藤博英
所属部局名:iPS細胞研究所
自己紹介:RNAやRNA-タンパク質複合体をシンセティックバイオロジー分野において活用し、細胞機能を自在に制御する新たな技術開発に取り組んでいます。同時に、生命の起源の探究や、生命システムの構築原理に迫ることを目指します。
関連URL:https://sites.google.com/view/hirohidesaitolabjp