Research Support
SPIRITS

視線誘導を利用した新規認知機能バイオマーカーの探索

研究スローガン

客観的な認知機能評価法を確立する

キーワード

軽度認知障害、MCI、アイトラッキング、視線解析

研究背景および目的

認知症は、高齢化が進む先進国で大きな社会的課題となっています。認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)においては、適切に治療することで認知症への進行を予防できる可能性も示されており、早期発見が重要です。本研究では、京都大学と株式会社ファインデックスが開発した視線分析型自動視野計から得られる視点反応速度や視線解析結果を用いて、認知症の早期発見を目指します。

成果の要約

本研究に関連する内容は、研究期間中に日本医療研究開発機構(AMED)の医工連携・人工知能実装研究事業に応募・採択されました。SPIRITS研究代表者の三宅は、AMED事業においても研究代表者を務め、京都大学医学部附属病院の脳神経内科及び精神科神経科、京都大学附属ゲノム医学センターと滋賀県長浜市と協力して実施しているながはまスタディ、静岡県と静岡社会健康医学大学院大学が協力して開始した静岡コホート、日本眼科学会が構築するナショナルデータベースであるJapan Ocular Imaging Registryと密に連携してプロジェクトマネージングを行いながら研究開発を進めています。研究開発は順調に進み、大規模にデータが取得されています。

今後の展望

引き続き、地域住民ベースのコホート研究でのデータ収集と、実際の認知症患者さんでのデータ収集を行い、認知機能障害と関連の深い視線の動きを探っていきます。この成果を医療機器として上市するために、薬事当局と相談を行っていきます。

関連写真・図

視線分析型自動視野計
視線分析型自動視野計による計測の様子

代表者情報

三宅 正裕

代表者氏名:三宅 正裕
所属部局名:理学研究科
自己紹介:医師、博士(医学)、公衆衛生学修士(ハーバード)。京都大学眼科特定講師。専門は近視・黄斑・緑内障・網膜硝子体。研究面では臨床研究、ゲノム・疫学研究、AI。2015-2017年には厚生労働省で先進医療や診療報酬、AMEDで医療研究開発に携わった。日本眼科AI学会理事。
関連Twitter名:@eyemiyake