地震後も健康に暮らすことを目指す国際共同研究形成
研究スローガン
地震後も健康に生活できることを目指して
キーワード
地震学、公衆衛生リスク、震災関連死、社会実装
研究背景および目的
大地震が発生すると多くの人が家を失い避難生活を送る。地震から生き延びたとしても、生活環境の変化によって健康状態が悪化したり、強いストレスを感じたりする。これが原因で亡くなることを、日本では「震災関連死」と呼び注目された。しかし、メキシコにおいては地震後にどのような健康リスクが生じ、実際にどれくらいの震災関連死が起こっているのか研究が進んでいない。そこで、地震学やデータサイエンス、公衆衛生学、心理学などを融合して、災害発生後の健康リスク把握とその軽減に資するプロジェクト案をつくることが目的である。
成果の要約
国籍や分野の異なる研究者に加えて、メキシコ政府や地方自治体関係者も含めたチーム形成を行った。メキシコにおける地震災害課題や公衆衛生課題について理解を深めるため、研究者やメキシコ政府と連携したシンポジウムも開催した。その過程で、メキシコ太平洋岸には産業集積地や観光地も多く、地震・津波災害時の健康課題に加えて、地震・津波に起因する化学事故や津波火災などを含めた複合災害リスクを総合的に取り組むべきとの意見で一致し、今後は、より具体的なプロジェクトプロポーザルを作成していくこととなった。
今後の展望
地震・津波災害時の健康課題に加えて、地震・津波に起因する化学事故や津波火災などを含めた複合災害リスクに目を向け、プロジェクトを形成する。また、プロジェクト案はメキシコを対象とするが、その成果を日本国内でのリスクアセスメントにもフィードバックしたい。
関連写真・図
代表者情報
代表者氏名:中野 元太
所属部局名:防災研究所
自己紹介:防災教育やリスクコミュニケーションを研究。地域住民主体の防災実践を目指して、地域・学校・行政と連携した実践共同研究を行う。政府系国際援助機関やNPOで勤務した経験がある。
関連URL:
http://gnakano.dpri.kyoto-u.ac.jp/
https://www.tesoro.rcep.dpri.kyoto-u.ac.jp/visualethnography/